外壁塗装の見積を受け取った後の確認メモ 記入例

見積書を受け取ったら、工事場所の塗装工日額と地域係数、見積書の内訳の記載を一枚のメモに書き出せます。千葉県と愛媛県の見積を例に、各欄の書き方を示します。

確認メモの4つの欄

見積書を受け取ったら、次の4つの欄を順に埋めると、地域の水準の確認と内訳の確認を一枚で済ませられます。数値は工事をする都道府県で決まるので、会社の所在地ではなく工事場所で調べます。

  1. 工事場所と日額:地域係数を調べるで、工事をする都道府県の塗装工日額と、全国単純平均(30,760円)との差を写します。
  2. 地域係数:「1+差の%÷100」で出します。
  3. 引き直した参考レンジ:見積総額を地域係数で割り、前後10%の幅を付けます。手順は見積総額の引き直し計算例と同じです。
  4. 内訳の確認欄:見積書に、材料費、労務費、安全衛生などの経費、工程ごとの日数が書かれているかに印を付けます。項目の意味は見積書の内訳の見方にあります。

記入例(千葉県・総額120万円の見積)

千葉県で工事をする住宅に、総額1,200,000円の見積が届いた場合の記入例です。

欄記入する内容この例の値
工事場所工事をする都道府県千葉県
塗装工日額令和8年3月適用の塗装工の日額34,700円
全国単純平均との差日額が平均よりどれだけ高い・低いか+12.8%
地域係数1+差の%÷1001.128
見積の総額見積書の総額(足場・材料・諸経費を含む)1,200,000円
引き直した参考レンジ総額÷地域係数の前後10%957,447円〜1,170,213円

地域係数が1より大きい千葉県では、引き直すと総額より低い金額になります。工事場所の労務単価が全国平均より高いぶん、見積が高めに出ることがあるためです。

内訳の確認欄の記入例

建設業法第20条第1項は、建設業者に、材料費、労務費、安全衛生などの経費、工程ごとの日数を書いた見積書を作るよう努めることを求めています。見積書にそれぞれが書かれているかを、次のように記入します。

確認する項目見積書の記載メモの書き方の例
工事の種別ごとの材料費あり○(塗料の種類ごとに分かれている)
労務費あり○(総額の中の一項目として書かれている)
安全衛生などの経費「一式」とだけある△(何が含まれるか、材料費等記載見積書を請求して確かめる)
工程ごとの日数なし×(担当者に日数の見込みを聞く)

これは書き方の例で、各項目の記載がどうあるべきかを判定するものではありません。「一式」の行や日数の記載がない場合は、注文者から請求すれば、建設業者は契約が成立するまでに材料費等記載見積書を渡さなければなりません(建設業法第20条第4項)。

2社を並べるときの記入例(千葉県と愛媛県の見積)

引き直した金額は、離れた地域の見積を同じ水準にそろえて眺めるときに使えます。例として、千葉県の120万円の見積と、愛媛県の100万円の見積を並べます。

項目千葉県の見積愛媛県の見積
塗装工日額34,700円27,000円
全国単純平均との差+12.8%-12.2%
地域係数1.1280.878
見積の総額1,200,000円1,000,000円
引き直した参考レンジ957,447円〜1,170,213円1,025,057円〜1,252,847円

総額は愛媛県のほうが低いのに、全国平均の水準に引き直すと愛媛県のほうが高い範囲になります。ただし2つの見積は工事の内容も面積も違うかもしれません。この表は日額の地域差だけをそろえたもので、どちらが割高かを示すものではありません。

この記入例でできないこと

個別の見積の適正・不適正は判定しません。塗装工日額には現場管理費・一般管理費等の諸経費が含まれず、外壁塗装は市場単価で積算されて国の標準歩掛りが無いため、㎡単価への換算もしません。足場、塗料のグレード、施工面積、業者の利益など、労務単価以外の要素が見積の金額には大きく影響します。

出典: 国土交通省「令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価について」(mlit.go.jp・PDF)の塗装工の列(橋りょう塗装工ではない)、建設業法第20条(e-Gov法令検索)。確認日は2026-10-04です。全国単純平均との差の表示、係数、参考レンジは本サイトの計算です。