確かめる順番(4つの手順)
見積の金額だけを見ても、高いか低いかは分かりません。先に工事場所の水準と内訳の書き方を確かめてから、金額を読みます。
- 工事場所の塗装工日額を調べる
- 見積書の内訳に、経費と日数が書かれているかを見る
- 労務費に関する基準で、見積の扱いを確かめる
- 総額を地域係数で引き直して、参考レンジを出す
手順1 工事場所の塗装工日額を調べる
国が公共工事の積算に使う塗装工の日額は、都道府県ごとに違います。会社の所在地ではなく、工事をする都道府県で調べます。
- 都道府県を選んで、全国単純平均(30,760円)との差を見る: 地域係数を調べる
- 自分の県がどの価格帯にあるかを見る: 水準別 都道府県一覧
- 日額に足場や現場管理費が含まれるかを確かめる: 塗装工日額に含まれるもの・含まれないもの
手順2 見積書の内訳に、経費と日数が書かれているかを見る
建設業法第20条第1項は、建設業者に、材料費、労務費、安全衛生などの経費、工程ごとの日数を書いた見積書を作るよう努めることを求めています。見積書にそれぞれが書かれているかを見ます。
- 項目の意味と確かめ方: 外壁塗装の見積書の内訳の見方
- 「一式」の行がある場合は、注文者から請求すれば、建設業者は契約が成立するまでに材料費等記載見積書を渡さなければなりません(同法第20条第4項)。
手順3 労務費に関する基準で、見積の扱いを確かめる
労務費に関する基準は、見積の労務費を読むときの国の考え方です。計算式の起点は公共工事設計労務単価なので、手順1で調べた日額が出発点になります。
- 値引き交渉や内訳の明示の扱い: 労務費に関する基準と見積
- 日額がどの部分で構成されるか: 労務単価の構成と割増賃金の積算式
- 日額のもとになる調査の範囲: 公共事業労務費調査のしくみ
手順4 総額を地域係数で引き直して、参考レンジを出す
見積総額を地域係数で割り、前後10%の幅を付けると、全国平均の水準にそろえた参考レンジが出ます。離れた地域の見積を並べて眺めるときにも使えます。
- 計算の手順と、総額別の計算例: 見積総額の引き直し計算例
- 各欄を一枚のメモに書き出す例: 見積の確認メモの記入例
この順番でできないこと
個別の見積の適正・不適正は判定しません。塗装工日額には現場管理費・一般管理費等の諸経費が含まれず、外壁塗装は市場単価で積算されて国の標準歩掛りが無いため、㎡単価への換算もしません。足場、塗料のグレード、施工面積、業者の利益など、労務単価以外の要素が見積の金額には大きく影響します。
出典: 国土交通省「令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価について」(mlit.go.jp・PDF)の塗装工の列(橋りょう塗装工ではない)、建設業法第20条(e-Gov法令検索)。確認日は2026-10-05です。全国単純平均との差の表示、係数、参考レンジは本サイトの計算です。