足場が道路に出るときの2つの許可
敷地に余裕がなく、足場を道路の上に設ける現場では、道路管理者の許可と警察署長の許可が関わります。東京都の建設事務所の案内は、足場などを路上に設置するには、道路管理者(建設事務所)の道路占用許可と、交通管理者(所轄警察署)の道路使用許可が必要としています。
| 項目 | 道路占用許可 | 道路使用許可 |
|---|---|---|
| 根拠の法律 | 道路法第32条第1項 | 道路交通法第77条第1項 |
| 許可する人 | 道路管理者(国道・都道府県道・市区町村道ごとに異なる) | 工事の場所を管轄する警察署長 |
| 条文が挙げる対象 | 道路に工作物などを設け、継続して道路を使用すること。道路法施行令第7条第4号が「工事用板囲、足場、詰所その他の工事用施設」を挙げている | 第1号が「道路において工事若しくは作業をしようとする者又は当該工事若しくは作業の請負人」を挙げている |
| 2つの関係 | 道路法第32条第4項・第5項は、道路交通法第77条第1項の適用を受ける行為の場合、申請書を警察署長経由で出せること、道路管理者が許可の前に警察署長へ協議することを定めている | 同左 |
どの現場で、どちらの許可が必要になるかは、足場が道路にどう出るか、道路を誰が管理しているかで変わります。このページは個別の現場の適否を判断しません。
東京都の案内にある手順と基準の例
東京都第四建設事務所の案内(2026-10-13確認)では、手続きは次の順です。
- 道路使用許可申請書と道路占用許可申請書を、建設事務所に出す(内容確認後に受付印)。
- 所轄警察署に出す(警察で内容確認後、道路占用許可申請書に承諾印)。
- 建設事務所へ再度出す(本受付)。審査後、許可書と納付書が出る。
道路占用許可の標準処理期間は、閉庁日を除き18日間とされています。許可の基準としては、事前に申請すること、道路の占用がやむを得ない(敷地に余裕がない)と認められること、出幅が許可基準内でかつ必要最小限であることなどが挙げられています。歩道上の足場では、出幅は路端から1メートル以下で有効幅員の3分の1以下、足場を除いた歩道の幅は1.5メートル以上を確保するとされています。点字ブロックにかからないよう離して設置することも留意点です。
提出書類として、東京都北多摩北部建設事務所の案内には、申請書、占用場所の案内図、足場の平面図・側面図・正面図、現況の写真などが挙げられています。占用料は、占用面積×年単価×月数÷12で計算する月割です。窓口、様式、料金は管轄の建設事務所や区市で異なり、ここに書いたのは東京都の例です。
見積・契約前に業者へ確かめる点
- 自宅の足場が道路や歩道にかかる計画か。かかる場合、占用許可と使用許可のどちらが必要と業者は見ているか。
- 許可の申請を誰が行うか(業者か、自分か)。契約書か見積の備考に書かれているか。
- 占用料や申請の費用が、見積の足場の行に含まれるか、別の行か、含まれないか。
- 許可が下りるまでの日数を、工事の着工日の見込みに入れているか。標準処理期間のような目安がある窓口もあります。
- 許可が下りず足場を出せなかった場合の対応(工期の変更、足場の組み方の変更、費用の扱い)を書面に残せるか。
足場の範囲・架設期間・飛散防止ネットの確認は、見積の足場項目の確認点に書いています。足場や作業で隣の敷地や近隣に関わる確認は、近隣挨拶の確認点を参照してください。
このページで言えないこと
足場代や占用料が高いか安いかは、判定しません。塗装工の日額は足場の費用の物差しではありません。許可が要るかどうかの最終的な判断と手続きは、管轄の道路管理者と警察署の窓口で行います。
よくある質問
足場が道路にはみ出さないなら、道路占用許可は要りませんか
このページでは確かめていません。確かめたのは、道路法施行令第7条第4号が「足場」を道路の占用の許可が要る工作物として挙げていることまでです。足場が道路の上に出るかどうかは、現場ごとに業者と管轄の窓口で確かめます。
道路占用許可と道路使用許可は、どちらを先に申請しますか
東京都第四建設事務所の案内では、両方の申請書を建設事務所に出して受付印を押してもらい、次に所轄警察署へ出して承諾印を得て、建設事務所へ再度出して本受付になる流れです。地域によって窓口と手順が異なるため、現場の管轄で確かめます。
見積に道路占用料や申請の費用は入っていますか
見積によって異なり、このページでは金額を示せません。東京都北多摩北部建設事務所の案内では、占用料は「占用面積×年単価×月数÷12」で計算するとされています。見積に占用料や申請の行があるか、誰が負担するかを、契約前に業者へ確かめます。
出典: 道路法第32条、道路法施行令第7条、道路交通法第77条(いずれもe-Gov法令検索、2026-10-13確認)、東京都第四建設事務所「道路占用許可申請手続き(工事用足場・仮囲い・落下物防護用施設)」、東京都北多摩北部建設事務所の同名の案内(いずれも2026-10-13確認)。このページでは、業者や申請代行の紹介はしません。
