6つの用語の早見
| 用語 | ひとことで | 詳しいページ |
|---|---|---|
| 公共工事設計労務単価 | 国が公共工事の積算に使う、職種別・都道府県別の1日(8時間)当たりの賃金の単価 | 労務単価の構成と割増の積算式 |
| 市場単価 | 材料費・労務費・経費を含めた、工種ごとの単価。塗装工事はこの方式 | データの出典 |
| 歩掛り | 1人が1日で何㎡できるか、のような作業量の基準 | 見積総額の引き直し計算例 |
| 全国単純平均 | 47都道府県の塗装工日額を足して47で割った値(30,760円) | 47都道府県の塗装工日額 一覧 |
| 地域係数 | 県の塗装工日額を全国単純平均で割った倍率 | 外壁塗装の地域係数とは |
| 割増対象賃金比 | 労務単価のうち、割増賃金の基礎になる賃金(基本給相当額+割増の対象となる手当)が占める割合。塗装工は0.807 | 割増対象賃金比とは(令和8年3月適用) |
公共工事設計労務単価
公共工事設計労務単価(以下、労務単価)は、農林水産省と国土交通省が、公共工事に従事した建設労働者の賃金などを調べた結果をもとに決める単価です。職種ごと、都道府県ごとに、所定労働時間内の8時間当たりの金額が決まっています。このサイトが使う「塗装工」の日額は、この単価表の列の1つです。
公共工事の工事費を積算するためのもので、民間の外壁塗装の価格を定めたものではありません。現場管理費や一般管理費などの諸経費も含まれていません。調査のしくみは公共事業労務費調査のしくみに、日額に含まれるものは塗装工日額に含まれるものにあります。
市場単価
市場単価は、材料費・労務費・経費をまとめた、工種ごとの単価です。国土交通省の「公共建築工事標準単価積算基準(令和8年改定)」は、第2編第17節「塗装」で、塗装工事の細目工種に市場単価を適用すると定めています(確認日 2026-09-18)。
市場単価の実額は、民間の有料の資料にだけ載っていて、国が無料で公開している表はありません。そのため、国の労務単価と市場単価は別のものとして扱います。
歩掛り
歩掛りは、「1人が1日で何㎡塗れるか」のような、作業量の基準です。労務単価に歩掛りを組み合わせると、㎡当たりの労務費を計算できます。
ところが、上の市場単価の基準で確認した範囲では、塗装工事に標準歩掛りは使われず、国が無料で公開している塗装の歩掛りも見つかっていません。このため、労務単価から㎡単価は計算しません。見積の総額や、自分で入力した㎡単価に地域係数を掛けて、参考の幅を出すところまでです。
全国単純平均
全国単純平均は、令和8年3月適用の塗装工日額を47都道府県の分だけ足して、47で割った値で、30,760円です。人口や工事の件数で重みを付けていない単純な平均です。
国の報道発表にある「全国全職種加重平均 25,834円」は、全職種を対象に、労働者数などで重みを付けた別の指標です。塗装工だけの全国単純平均と取り違えないようにします。
地域係数
地域係数は、県の塗装工日額を全国単純平均(30,760円)で割った倍率です。1より大きければ、全国単純平均より日額が高い県です。山口県の0.842から東京都の1.187まで幅があります。
見積の総額を地域係数で割ると、全国単純平均の水準にそろえた参考の値になります。計算の手順は見積総額の引き直し計算例で、地域係数の定義と47都道府県の幅は外壁塗装の地域係数とはで確かめられます。
割増対象賃金比
割増対象賃金比は、労務単価に占める「基本給相当額+割増の対象となる手当」(割増賃金の基礎となる賃金)の割合です。国の単価表は、時間外・休日・深夜の割増賃金を積算する式の中で使うと示しています。令和8年3月適用の別表-1では、一般の塗装工は0.807、橋りょう塗装工は0.836で、別の職種として載っています。
民間の外壁塗装の見積にそのまま当てはまる決まりではなく、見積の割増分を計算するための数値でもありません。Kの式と割増係数ごとの値は割増対象賃金比の計算方法(労務単価の構成と割増の積算式)にあります。出典: 農林水産省・国土交通省「令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価表」本文3(1)の注と別表-1(確認日 2026-10-22)。
標準労務費(労務費の基準)
「標準労務費」という名前の公的な数値表はなく、国土交通省が公表しているのは「労務費に関する基準」と、職種分野別・都道府県別の「労務費の基準値」です。基準値は、公共工事設計労務単価に作業量あたりの歩掛(人日)を掛けて求める数値で、令和8年3月31日に「塗装」を含む11職種分野の基準値が追加されました。
公共工事設計労務単価そのものとは別の数値で、このサイトの都道府県別の日額から基準値は計算できません。出典: 国土交通省「労務費に関する基準ポータルサイト」新着情報(2026年3月31日)(確認日 2026-10-22)。詳しくは標準労務費と外壁塗装:基準値に塗装は入っているかにあります。
建築塗装工・塗装工・橋りょう塗装工の呼び分け
「建築塗装工」という職種名は、国の公共工事設計労務単価表(令和8年3月適用)にありません(確認日 2026-10-21、農林水産省・国土交通省の単価表本文を検索して、この語が無いことを確かめました)。表にある塗装の職種は「塗装工」と「橋りょう塗装工」の2つです。
建物の外壁を塗る作業にあたるのは「塗装工」で、このサイトの都道府県別の日額、全国単純平均(30,760円)、地域係数はすべて「塗装工」の列から取っています。「橋りょう塗装工」は橋りょうなどの塗装とケレン作業のための別の職種で、外壁塗装の見積の参考には使いません。2つの定義の違いと、表から数値を読むときの注意は建築塗装工の労務単価は「塗装工」の列:橋りょう塗装工との違いにまとめています。
労務単価の用語についてよくある質問
公共工事設計労務単価に、現場管理費や一般管理費は含まれていますか
含まれていません。注記は、現場管理費(法定福利費の事業主負担分、研修訓練等に要する費用など)と一般管理費等の諸経費は含まれないと書いています。見積書の経費の用語との対応は見積書の経費の用語の意味の早見表にあります。
地域係数が1より大きい県は、見積も高くなりますか
日額の水準が全国単純平均より高い県だということまでは言えますが、見積の総額が高くなるとは言えません。足場、塗料、施工面積などでも総額は変わります。
歩掛りがないと、何ができなくなりますか
塗装工事には国の歩掛りが公開されていないため、日額から1㎡あたりの単価を計算することができません。
この数値でできないこと
6つの用語で説明した数値は、地域ごとの賃金水準の差を見る参考情報です。
出典: 農林水産省・国土交通省「令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価表」、国土交通省「公共建築工事標準単価積算基準(令和8年改定)」(mlit.go.jp・PDF)、同「令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価について」(mlit.go.jp・令和8年3月分PDF)。全国単純平均と地域係数は本サイトの計算です。
次に確認するページ
- 地域係数を調べる: 工事場所の県の係数を見る
- 主要12都道府県の早見表: 主要な県の日額を1枚で見比べる
- 外壁塗装の見積書の内訳の見方: 内訳の項目を読む
- 見積書の経費の用語: 経費まわりの語を確認する
- 見積を受け取った後に確かめる順番: 確認の手順
