増改築等として控除の対象になる工事
国税庁は、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の対象になる増改築等を、次の6つのいずれかに当たる工事としています。外壁塗装という名前の工事はありません。
- 増築、改築、建築基準法に規定する大規模の修繕または大規模の模様替えの工事
- マンションなどの区分所有建物で、自分が区分所有する部分の床、階段または壁の過半について行う一定の修繕・模様替え
- 居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関または廊下の一室の床または壁の全部について行う修繕・模様替え
- 建築基準法施行令の構造強度等の規定や、地震に対する安全性の基準に適合させるための一定の修繕・模様替え(耐震改修)
- 一定のバリアフリー改修工事
- 一定の省エネ改修工事
1の「大規模の修繕または大規模の模様替え」は、家屋の壁(構造上重要でない間仕切壁を除く)、柱(間柱を除く)、床(最下階の床を除く)、はり、屋根または階段(屋外階段を除く)のいずれか一つ以上について行う過半の修繕・模様替えと説明されています。外壁塗装が壁の過半の修繕に当たるかは、塗る範囲と工事の内容で変わり、この資料から塗装だけの工事の可否は確認できません。
床面積・所得・返済期間などの主な要件
| 項目 | 国税庁の資料の内容 |
|---|---|
| 居住 | 増改築等の日から6か月以内に居住し、控除を受ける年の12月31日まで引き続き居住していること |
| 床面積 | 増改築等をした後の住宅の床面積が50㎡以上で、2分の1以上を専ら自己の居住の用に供していること(特例増改築等は40㎡以上50㎡未満) |
| 所得 | 控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下(特例増改築等は1,000万円以下) |
| 返済期間 | 10年以上にわたり分割して返済する方法の借入金または債務があること |
| 工事費 | 増改築等の額(補助金等を引いた額)が100万円を超え、その2分の1以上が自己の居住用部分の工事費用であること |
| 対象の家屋 | 自己が所有し、かつ自己の居住の用に供する家屋の増改築等であること |
| 控除額 | 年末残高等×0.7%(上限14万円)を10年間(令和4年から令和12年に居住した場合) |
出典: 国税庁タックスアンサー No.1211-4「増改築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」、国税庁タックスアンサー No.1225「住宅借入金等特別控除の対象となる住宅ローン等」(確認日 2026-10-17)。上の表は要点の抜粋で、すべての要件ではありません。2以上の住宅を持つ場合や、居住用財産の譲渡の特例を受けている場合などの要件もあります。
ローンの借入先と返済期間の決まり
控除の対象になるのは、増改築等のために直接必要な借入金または債務で、償還期間が10年以上の割賦の方法で返済するものです。国税庁は、金融機関や住宅金融支援機構、勤務先からの借入金のほか、建設業者に対する債務も例に挙げています。一方、親族や知人からの借入金はすべて対象外とされています。勤務先からの借入金は、無利子または0.2パーセントに満たない利率のものが対象外です。
短期の分割払いや現金払いは、この返済期間の要件を満たしません。業者が勧める分割払いの支払総額や契約の注意は外壁塗装の分割払い・リフォームローンに、省エネ改修の減税との違いは外壁塗装とリフォーム減税にあります。
確定申告で用意する書類
控除を受ける最初の年は、確定申告書に次の書類を添えて税務署に出します。給与所得者は、2年目以後は年末調整で受けられます。
- 住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- 金融機関等から交付された住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
- 登記事項証明書など、床面積を明らかにする書類
- 増改築等の請負契約書の写しなど、費用の額を明らかにする書類
- 補助金等の交付を受けた場合は、補助金決定通知書など金額を証する書類
- 建築士等が発行した増改築等工事証明書(1の工事は、建築確認済証または検査済証の写しでも可)
建築士等とは、一級・二級・木造建築士、指定確認検査機関、登録住宅性能評価機関、住宅瑕疵担保責任保険法人をいいます。
契約前に業者と金融機関へ聞く順番
- 工事が塗装だけか、補修や下地の工事を含むかを、見積書の項目で確かめます。
- 工事の範囲が、壁の過半の修繕などの対象工事に当たりうるかを、増改築等工事証明書を出せる建築士などに聞きます。
- 借入金が10年以上の割賦返済で、控除の対象になる借入先かを、金融機関に聞きます。
- 工事費が100万円を超えるか、補助金等を引いた額で数えます。
- 適用の可否は、工事の前に税務署に確認します。
契約前に聞く言葉は契約前に業者へ聞く質問リストに、補助金の窓口は外壁塗装の自治体補助金の見方にあります。
ローンを使わない支払い方法(カード・現金・銀行振込)の確認点は外壁塗装の支払いはクレジットカード・現金・銀行振込のどれかにあります。
このページでできないこと
国税庁の資料の紹介にとどまります。個別の工事や借入が控除の対象になるかの判定、控除額の計算、新築や中古住宅の取得の場合の解説はしません。適用の可否は税務署や税理士に確認します。個別の見積が適正かどうかの判定や、塗装業者・金融機関の紹介もしません。お住まいの県の塗装工日額は都道府県別の塗装工日額ページの一覧から確認できます。
よくある質問
外壁塗装をローンで払えば、住宅ローン控除は受けられますか
国税庁の資料では、住宅ローン控除の増改築等は、増築・改築・大規模の修繕または大規模の模様替えなど6つの工事のいずれかに当たることが入り口です。外壁塗装がこれに当たるかは工事の範囲で変わり、資料から塗装だけの工事の可否は確認できません。建築士などが発行する増改築等工事証明書で確かめ、最終的には税務署に確認します。
ローンの借入先や返済期間に決まりはありますか
国税庁の資料では、返済期間が10年以上の割賦の方法であること、金融機関や建設業者などからの借入金または債務であることが要件です。親族や知人からの借入金はすべて対象外です。短期のローンや現金払いは対象になりません。
工事費が100万円以下でも控除は受けられますか
国税庁の資料では、増改築等の費用の額(補助金等を引いた額)が100万円を超え、その2分の1以上が自己の居住用部分の工事費用であることが要件です。100万円以下の工事は、この要件を満たしません。
