結論:契約書に書く事項を変えるなら、変更の内容も書面にする
建設業法第19条第2項は、請負契約の内容のうち、契約書に書く事項にあたるものを変更するときは、変更の内容を書面に記載し、署名または記名押印をして相互に交付するよう定めています。工事の追加や金額の増減を口頭で了承しただけでは、この定めの書面にはなりません。条文が求めるのは、変更の内容を書き、署名または記名押印をし、互いに渡すことの3つです。
出典: e-Gov法令検索「建設業法」第19条(確認日 2026-10-17)。この条文の宛先は「請負契約の当事者」で、業者と施主の双方です。
契約書に書く16項目のうち、変更で動きやすいもの
第19条第1項は、契約を結ぶときに書面に書く事項を16の号で挙げています。契約後の変更で動きやすいのは、次の項目です。
| 変更の場面 | 条文の項目 |
|---|---|
| 塗る範囲を増やす、作業を追加する | 第1号 工事内容 |
| 追加分で金額が変わる | 第2号 請負代金の額 |
| 追加作業で着工・完成の時期が動く | 第3号 工事着手の時期及び工事完成の時期 |
| 支払いの時期や方法を変える | 第5号 前金払・出来形部分に対する支払の定め、第12号 工事完成後における請負代金の支払の時期及び方法 |
| 注文者が資材を支給する、検査の時期を変える | 第10号 注文者が提供する資材等、第11号 検査の時期及び方法並びに引渡しの時期 |
表は、条文の項目を本サイトで場面に当てはめたものです。ここに挙げていない項目も、契約書に書いてあれば変更の対象です。
契約書に、変更のときの決め方があらかじめ書かれているか
第1項第6号は、当事者の一方から設計変更や工事の中止などの申出があった場合の、工期の変更、請負代金の額の変更、損害の負担とそれらの額の算定方法に関する定めを、契約書に書く事項に挙げています。つまり契約を結ぶ時点で、変更が出たときにどう決めるかを書面に書いておくことが、条文の想定です。手元の契約書にこの定めがあるかは、契約前に確かめられます。
民間工事の標準的な契約約款での変更の扱いは、民間建設工事標準請負契約約款(乙)の読み方で説明しています。
変更の書面を紙以外で受け取るとき
第3項は、相手方の承諾を得たうえで、情報通信の技術を利用する方法で国土交通省令が定めるものにより、書面に代えられるとしています。承諾を得る相手は「当該契約の相手方」です。メールやアプリの画面で変更を受け取る場合も、この承諾が前提と読めます。どの方法が省令で認められているかは、このページでは確認していません。
変更の連絡を受けたときに確かめる4点
- 変更する項目(工事内容、金額、工期など)が書かれているか
- 変更前と変更後の内容が分かる形になっているか
- 署名または記名押印があるか
- 自分の手元に、写しまたは電子的な記録が残るか
追加工事の金額を見るときに労務単価がどこまで参考になるかは、見積後の追加工事・内容変更の見方で説明しています。契約前に業者へ聞く質問は契約前に業者へ聞く質問リストにあります。
契約後の変更の書面についてよくある質問
外壁塗装の契約後に金額が変わるとき、変更の書面は必要ですか
建設業法第19条第2項は、請負契約の内容のうち契約書に書く事項にあたるものを変更するときは、変更の内容を書面に記載し、署名または記名押印をして相互に交付するよう定めています。請負代金の額は契約書に書く事項の1つなので、金額の変更はこれにあたります。
変更の書面は紙でなければいけませんか
同条第3項は、相手方の承諾を得たうえで、情報通信の技術を利用する方法で国土交通省令が定めるものにより、書面に代えることができるとしています。承諾を得ずに代えることは、条文からは読み取れません。
このページで、個別の変更が適法かどうかを判定できますか
できません。契約や取引が建設業法に適合しているかどうかの判定や、個別の追加金額の妥当性の判断は、このサイトでは行いません。トラブルの相談先は外壁塗装の見積に迷ったときの公的な相談窓口にあります。
このページでできないこと
個別の契約や変更が建設業法に適合しているかどうか、追加金額が妥当かどうかの判定はできません。条文の解釈が分かれる場面や紛争になった場合は、公的な相談窓口や専門家にご相談ください。出典と確認日はデータの出典をご覧ください。
