見積の遮熱・断熱で確かめることは4つ
見積書の塗料の欄に「遮熱」「断熱」と書かれていたときに、契約前に確かめる点を整理します。確かめる4つは、効果の根拠、試験方法、公的な基準、助成金の有無です。塗料名と塗り回数の一般的な確認は見積書の塗り回数・塗料名の確認項目にあり、このページはその続きとして、遮熱・断熱をうたう塗料に絞っています。効果の大きさは、このページでは評価しません。
日本塗料工業会が示す遮熱塗料の選び方
日本塗料工業会のリーフレット「遮熱塗料」(2025年版)は、遮熱塗料を「屋根に塗るだけで室内温度の上昇を抑える機能を備えた塗料」と説明し、選ぶ基準を2つ挙げています。
| 基準 | 内容 | 見積で聞くこと |
|---|---|---|
| 遮熱性能(日本塗料工業会の遮熱基準と登録品) | 日射侵入比という数値と★の数で選ぶ。日射侵入比は室内に入ってくる熱の割合で、測定方法は JIS K 5603 で決められている | 使う製品が日本塗料工業会の登録品か。★はいくつか |
| 日射反射機能と耐久性(JIS K 5675) | JIS K 5675「屋根用高日射反射率塗料」が、日射反射率や耐久性などの品質を規定している | JIS K 5675 に適合した製品か。外壁に使う製品にはどの試験があるか |
★の目安は、★が日射侵入比0.8〜0.6(侵入熱削減率20〜40%)、★★が0.6〜0.4(40〜60%)、★★★が0.4以下(60%以上)で、色が明るいほど★が増えます。黒い色の一般の塗料の日射侵入比はほぼ1.0とされています。出典: 日本塗料工業会「遮熱塗料」リーフレット(2025年版)(確認日 2026-10-12)。
このリーフレットも JIS K 5675 も、対象は主に屋根です。外壁に使う遮熱塗料に同じ登録品の基準があるかは、このページでは確かめられていません。外壁の見積では、使う製品にどの試験データがあり、その試験が外壁を想定したものかを業者に聞く必要があります。屋根まわりの金具・板金・軒先が塗装の範囲に入っているかは屋根塗装の雪止め金具・棟板金・軒先の範囲で確認できます。
断熱塗料と遮熱塗料の違い
同じリーフレットは、熱を遮蔽する塗料の機能を日射反射、断熱、放熱の3つに分け、太陽光の下では塗膜の断熱や放熱の効果は少なく、日射反射機能が最も効果を発揮すると説明しています。従来から売られている断熱塗料や放熱塗料は、熱を持つ物や発熱する物に塗られる場合が多い特殊用途向けの塗料としています。見積に「断熱塗料」とある場合は、何の機能を指す言葉なのか、どの試験で示すのかを確かめます。
効果の数字を見るときの注意
- リーフレットには、真夏の屋根の表面温度が遮熱塗料で最大20℃以上低下する例や、実験棟で夏場に空調の消費電力が一般の塗料より7%少なかった例があります。工場の屋根や、茨城県つくば市の長屋式実験棟など、条件の決まった結果です
- 業者が示す温度や電気代の数字は、どの建物で、いつ、どの方法で測ったかを聞きます。自宅の条件で同じになるとは限りません
- メーカーの資料の数字か、公的な基準に基づく数字かを分けて聞きます
補助金・助成金の有無
リーフレットは、遮熱塗装(高反射率塗料の塗装)は地方自治体の助成金制度の対象になる場合があるとしています。対象の有無、申請の時期、対象の塗料の条件は自治体ごとに違います。着工前の申請が必要な制度が多いため、契約の前に確かめます。調べ方は外壁塗装で使える自治体の補助金の調べ方にあります。
金額の見方
遮熱・断熱をうたう塗料は、一般の塗料と塗料代が違うことがあります。ただし、国の労務単価表は塗装工の日額を示す表で、塗料の種類による金額の違いは示していません。塗料代の高い・安いはこのサイトでは判定しません。職人の賃金水準が全国の中でどのあたりかは、47都道府県の塗装工日額で確かめられます。
見積の塗料の缶数や塗布量、希釈率の読み方は、見積の缶数・塗布量と塗料の希釈率の確認3項目にあります。
このページでできないこと
遮熱塗料・断熱塗料の効果の大きさ、見積の塗料代の適正・不適正、特定の製品や業者の優劣の判定はしません。
よくある質問
遮熱塗料を塗れば、必ず室温が下がりますか
日本塗料工業会のリーフレットは、遮熱塗料の効果は暑い夏ほど実感できると説明し、実験棟で夏場に空調の消費電力が7%減った例を載せています。これは特定の条件での結果で、お住まいで同じ効果になることを示すものではありません。見積では、何を根拠に効果を説明しているかを業者に確かめます。
断熱塗料と遮熱塗料は同じものですか
同じではありません。日本塗料工業会は、日射反射機能・断熱機能・放熱機能のうち熱を遮る塗料の総称を遮熱塗料とし、太陽光の下では日射反射機能が最も効果を発揮すると説明しています。従来から売られている断熱塗料や放熱塗料は、熱を持つ物や発熱する物に塗る特殊用途向けの場合が多いとも書いています。
遮熱塗料の工事に補助金は使えますか
日本塗料工業会のリーフレットは、遮熱塗装は地方自治体の助成金制度の対象になる場合があるとしています。対象の有無は自治体ごとに違うため、着工前にお住まいの自治体に確かめます。調べ方は外壁塗装で使える自治体の補助金のページにあります。
