被災した住宅の外壁補修と災害救助法の応急修理

台風や地震で外壁が壊れたとき、国と自治体が費用を負担する応急修理の制度があります。対象の範囲、罹災証明の区分、限度額、申請の流れを内閣府の資料で整理します。

足場上で住宅の外壁をローラー塗装する作業風景

応急修理の対象は日常生活に必要な最小限度の部分

災害救助法の住宅の応急修理は、災害で住家が壊れた世帯が、元の住家に引き続き住めるように、壊れた部分を応急的に直す制度です。内閣府の資料は、対象を「居室、炊事場、便所等日常生活に必要最小限度の部分」とし、制度の趣旨を「日常生活に必要最小限度の部分を応急的に修理することで、元の住家に引き続き住むことを目的としたもの」と説明しています。

外壁については、同じ資料に次の記載があります。修理前の状況写真では、風水害の場合に「玄関、窓(サッシ)、外壁等の破損状況を箇所別に撮影」するよう求めています。また、自治体の運用として「外壁補修を行わない内壁の修理は認めない」といった要件は既に撤廃された例として挙げられています。外壁が壊れて雨風が入る状態なら、その補修が応急修理の対象になり得ると読めます。

一方、色あせやひび割れを直す美観・耐久目的の塗り替えが対象かどうかは、取得した資料に記載がありません。この制度は応急的な修理が目的なので、塗り替え工事までは含まれないと決めつけず、窓口で工事の範囲ごとに確かめます。出典: 内閣府「災害救助法 住宅の応急修理」(PDF)(確認日 2026-10-25)。

罹災証明の区分と限度額

対象になるのは、自治体が出す罹災証明書で、一定以上の被害と判定された世帯です。内閣府の資料では、大規模半壊、中規模半壊、半壊の世帯は、住家が半壊(大規模半壊は大規模な補修をしなければ居住が困難な程度)し、自らの資力では応急修理ができない人が対象です。準半壊は、半壊に準ずる程度の損傷を受け、自らの資力では修理ができない人が対象です。住家の損害割合の目安は、準半壊が10%以上20%未満です。一部損壊は、この表では対象の区分に入っていません。

罹災証明の区分令和8年度の限度額(1世帯)令和7年度の限度額
大規模半壊・中規模半壊・半壊757,000円以内739,000円
準半壊367,000円以内358,000円

限度額は「1世帯当たり平均ではなく各世帯ごとの基準額」で、特別基準の設定はありません。年度ごとに改定されるため、令和8年度以外の災害の額は、災害の発生年度の額を自治体に確認します。限度額を超える部分は被災した世帯の負担です。救助の期間は、災害発生の日から3か月以内に完了、国の災害対策本部が設置された災害では6か月以内に完了とされています。出典: 内閣府「災害救助法 住宅の応急修理」(PDF)の令和8年度の表と過去の限度額の表(確認日 2026-10-25)。

申請の流れ

内閣府の資料が示す流れは次のとおりです。実際の窓口、受付期間、様式は災害ごとに市区町村が決めます。

  1. 市区町村から罹災証明書を受け取り、申込書を入手します。
  2. 申込書、罹災証明書、修理前の被害状況の写真、修理見積書、資力に関する申出書を提出します。見積書は後日の提出でもよいとされていますが、工事の決定には必要です。
  3. 自治体が写真と見積書を審査します。
  4. 審査後に工事を業者へ依頼し、施工します。
  5. 工事完了の報告書を出し、完了検査を受けて費用が確定します。業者への支払いは、請求書の提出を経て行われます。

修理前の写真は、直す前に撮っておく必要があります。外壁の割れや剥がれは、直す前に箇所ごとに撮影しておきます。資料の流れは、申請と審査のあとに工事を依頼する順番です。業者と契約する前に窓口へ聞きます。

火災保険や補助金との関係

風災や水災の被害は、火災保険の補償の対象になることもあります。保険の仕組みは外壁塗装と火災保険に、自治体ごとの外壁塗装の補助金は外壁塗装の自治体補助金にまとめています。応急修理と他の支援の併用の可否は、制度ごとに決まっているため、窓口でそれぞれ確かめます。

被災後に飛び込みで来る業者との契約は、訪問販売のクーリング・オフの対象になる場合があります。見積の内訳を確かめる手順は契約前に業者へ聞く質問リストにあります。

このページでできないこと

内閣府の資料の紹介にとどまります。お住まいの被害区分の判定、応急修理の対象になる工事の範囲、限度額の適用は判断しません。災害ごとの運用はお住まいの市区町村の窓口で確認します。個別の見積が適正かどうかの判定や、塗装業者の紹介もしません。お住まいの県の塗装工日額は都道府県別の塗装工日額ページの一覧から確認できます。

よくある質問

災害救助法の住宅の応急修理で、外壁の補修は対象になりますか

内閣府の資料では、対象は居室、炊事場、便所等の日常生活に必要最小限度の部分です。同じ資料は、外壁の破損を撮影するよう求めており、破損した外壁の補修が対象になり得ます。美観のための塗り替えが対象かは資料に記載がなく、自治体の窓口で確認します。

応急修理の限度額はいくらですか

令和8年度は、大規模半壊・中規模半壊・半壊が1世帯あたり757,000円以内、準半壊が367,000円以内です。令和7年度は739,000円と358,000円でした。

応急修理を申請するのに必要な書類は何ですか

申込書、罹災証明書、修理前の被害状況の写真、修理見積書、資力に関する申出書です。見積書は後日の提出でもよいとされていますが、工事の決定には必要です。