外壁塗装で火災保険が使える範囲と「保険金で無料」勧誘の確認点

風災・雹災・雪災を中心に、外壁塗装の見積を取る前後に「火災保険が使える」と言われたときに、保険の補償の範囲と、契約の前に確かめる点を説明します。保険金が出るか、見積が妥当かの判定はしません。

足場上で住宅の外壁をローラー塗装する作業風景

火災保険で補償されるのは自然災害などによる損害で、補償の範囲は保険会社ごとに違う

日本損害保険協会は、すまいの保険(火災保険)には、火災だけでなく風災・水災・雪災・落雷などによる損害を補償する商品があると説明しています。台風や暴風などの風災による損害、大雪などの雪災による損害は、一定額以上に達するものを補償の対象としています。一定額に達しなくても補償する商品や、一定の免責金額(自己負担額)を設定している商品もあります。

確かめること公的資料が説明していること
補償される損害の種類損害保険Q&Aは、損害保険金の例として「風災、雹(ひょう)災、雪災」を挙げ、保険会社によって補償内容は異なるので保険会社または代理店に確認が必要としている
損害の大きさ風災・雪災は一定額以上に達するものが対象。一定額に達しなくても補償する商品や、免責金額を設定した商品がある
地震による損害火災保険では補償されず、地震保険で補償される
業者に「保険金が使える」と言われたとき住宅の修理を業者と契約する前に、契約している損害保険会社または損害保険代理店へ相談するよう、協会が案内している

出典: 日本損害保険協会「風水雪災等による損害を補償する損害保険」、同協会 損害保険Q&A 問51(確認日 2026-10-11)。

これらの資料は、塗り替えの工事費が補償されるとは述べていません。補償されるかどうかは、損害が起きた原因と、ご自身の契約の内容で決まります。

地震で外壁が傷んだときの地震保険の対象の確かめ方(火災保険との違い)

財務省の資料「地震保険制度」は、地震・噴火・これらによる津波を直接または間接の原因とする火災、損壊、埋没、流失による損害は、通常の火災保険では補償されず(免責条項に該当)、地震保険で補償される、と説明しています。外壁にひび割れが出た原因が地震なら、火災保険のうち風災や雪災などの項目ではなく、地震保険の契約があるかが先の確認点になります。

確かめること財務省の資料が説明していること
地震による損壊の扱い通常の火災保険では補償されない(免責条項に該当)。地震保険で補償される
地震保険の対象居住のために使用する建物(専用住宅・店舗兼住宅)と生活用動産(家財)。店舗や事務所のみの建物は対象外
加入の仕組み火災保険とセットで加入する。契約者の意向で「加入しない」こともでき、火災保険の期間の途中から付けることもできる
問い合わせ先損害保険会社・保険代理店等

出典: 財務省「地震保険制度」(2026年4月版資料)(確認日 2026-10-14)。

この資料は、外壁のひび割れやタイルの浮きが地震保険でどの程度補償されるかには触れていません。支払われるかどうか、いくら支払われるかは、契約内容と保険会社の調査で決まります。地震の後に外壁の補修を考えたときは、塗装の見積を取る前に、地震保険に入っているかを証券で確かめ、保険会社または代理店に連絡してください。

「保険金で自己負担なく直せる」と勧誘されたときの注意点

国民生活センターは2021年9月2日の公表で、「火災保険を使って自己負担なく住宅の修理ができる」「保険金が出るようサポートする」などと勧誘する住宅修理サービスの相談が急増しているとしています。公表された相談事例には、次のものがあります。

国民生活センターが示した消費者へのアドバイスは、次の4点です。

  1. 請求期限が迫っているなどの勧誘やインターネット広告をうのみにせず、安易に契約しない。
  2. 申請サポート会社に頼らずとも、保険金の請求は加入者自身で行える。
  3. うその理由で保険金を請求することは絶対にやめる。
  4. 不安に思ったときやトラブルになったときは、早めに消費生活センター等に相談する(消費者ホットライン188)。

消費者庁の長官は2021年7月28日の記者会見で、「保険を使って無料で修理します」といった勧誘を受けたときは、すぐに契約しないで、ご自身で損害保険会社や代理店に連絡し、修理等の契約内容をしっかり確認するよう呼びかけています。

出典: 国民生活センター「保険金で住宅修理ができると勧誘する事業者に注意!」(2021年9月2日公表)、消費者庁 伊藤長官記者会見要旨(2021年7月28日)(確認日 2026-10-11)。

経年劣化を自然災害の被害として請求した場合

岐阜県が令和6年6月27日に公表した注意喚起は、消費者庁の調査に基づくものです。それによると、住宅の損害が経年劣化によるものだと知りながら、自然災害による損害であるかのようにうその理由で保険金の支払を請求すると、保険会社から保険金の返還請求や保険契約の解除をされたり、詐欺罪に問われたりすることがあります。同じ注意喚起には、無料点検を口実に訪問し、「このままだと雨漏りをしてしまう可能性が高い」と不安をあおって、火災保険金を使って実質的に無料で修理できると説明する手口が記されています。

出典: 岐阜県「『火災保険を使って実質的に無料で修理ができる』などとうたい、火災保険金を利用した修理工事契約を締結させる事業者に関する注意喚起」(令和6年6月27日。確認日 2026-10-11)。

外壁塗装の見積を取る前に確かめる順番

  1. 外壁や屋根に、台風・強風・ひょう・大雪などの災害で生じたと思われる破損があるかを、自分の目で確かめる。気づいた日時と状況を記録しておく。
  2. 契約している保険会社または代理店に、自分の契約で風災・雹災・雪災が補償されるか、免責金額はいくらかを問い合わせる。
  3. 業者に契約を急かされても、その場で契約書に署名しない。手数料の有無と、保険金が出なかったときや解約したときの支払いを書面で確かめる。
  4. 訪問販売で契約してしまったときは、クーリング・オフの期間を確かめる。
  5. 修理や塗り替えの見積は、保険金の有無と分けて受け取り、見積を受け取った後に確かめる順番で内容を確かめる。

困ったときの公的な窓口は見積に迷ったときの公的な相談窓口にあります。

点検の後に「保険金で自己負担なし」と言われたときの勧誘の型は無料点検で危ないと言われたときの契約前の確認点にあります。

業者が工事中に第三者へ与えた損害に備える保険の確認は工事中の事故・飛散の補償と賠償責任保険の確認点にあります。

このページでできないこと

保険金が支払われるかどうか、個別の契約が有効かどうか、見積が高い・安いかの判定はしません。保険会社、塗装業者、申請サポート業者の紹介・あっせんも行いません。お住まいの県の塗装工日額は都道府県別の塗装工日額ページの一覧から確認できます。

よくある質問

外壁塗装の工事に火災保険は使えますか

日本損害保険協会は、すまいの保険(火災保険)には風災・雪災などによる損害を補償する商品があり、台風や暴風による損害などは一定額以上に達するものを補償の対象としていると説明しています。補償の範囲は保険会社と商品で異なるため、使えるかどうかは契約している保険会社または代理店に確かめてください。塗り替えそのものが対象になるとは書かれていません。災害救助法の住宅の応急修理で外壁の補修がどう扱われるかは、被災した住宅の外壁補修と災害救助法の応急修理にまとめています。

「火災保険で自己負担なく修理できる」と訪問してきた業者の話は信じてよいですか

国民生活センターは、「保険金が使える」と勧誘する住宅修理サービスの相談が急増しているとして、請求期限が迫っているといった勧誘をうのみにせず、安易に契約しないよう呼びかけています。保険金が支払われるかは業者の説明だけでは分かりません。契約の前に、ご自身で保険会社や代理店に連絡してください。

保険金の請求は、申請をサポートする業者に頼まないとできませんか

できないわけではありません。国民生活センターは、申請サポート会社に頼らずとも、保険金の請求は加入者自身で行えると説明しています。

経年劣化を台風の被害として保険金を請求してもよいですか

いけません。岐阜県が公表した消費者庁の調査に基づく注意喚起は、経年劣化によるものと知りながら自然災害による損害であるかのようにうその理由で請求すると、保険会社から保険金の返還請求や契約の解除をされたり、詐欺罪に問われたりすることがあるとしています。

地震で外壁にひびが入ったとき、火災保険で補修できますか

財務省の資料「地震保険制度」は、地震を直接または間接の原因とする損壊は通常の火災保険では補償されず(免責条項に該当)、地震保険で補償されると説明しています。地震保険は火災保険とセットで加入するもので、契約の有無は保険証券で確かめられます。支払われるかどうかは契約内容と保険会社の調査で決まるため、保険会社または代理店に連絡してください。

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契約前に確かめる制度は契約前に確かめる制度の早見表にあります。

工事の後の不具合に備える仕組みとして、事業者が加入する保険の保険期間と登録事業者の確認はリフォームかし保険の仕組みと確かめる点にあります。