過量販売の解除とは(特定商取引法第9条の2)
特定商取引法第9条の2は、訪問販売で契約した人が、日常生活で通常必要とされる回数・期間・分量を著しく超える役務提供契約について、申込みの撤回または解除をできると定めています。工事の契約は役務提供契約にあたるため、同じ家に短期間で工事を重ねて契約させられた場合がこの条文の想定です。
| 確かめる点 | 条文の定め |
|---|---|
| 対象になる契約 | 通常必要とされる回数・期間・分量を著しく超えて役務の提供を受ける契約(第1項第1号) |
| 業者が知っていた場合 | 契約によって通常必要な量を著しく超えることになると知りながら、または既に超えていると知りながら結んだ契約(第1項第2号) |
| 対象外になる場合 | 契約を必要とする特別の事情があったとき(第1項ただし書き) |
| 行使できる期間 | 契約の締結の時から1年以内(第2項) |
出典: e-Gov法令検索「特定商取引に関する法律」第9条の2(確認日 2026-10-15)。
クーリング・オフとの違い
クーリング・オフ(第9条)は、法定の契約書面を受け取った日から8日以内という短い期限で、量の多さを問わず使えます。過量販売の解除(第9条の2)は、期限が契約から1年以内と長い代わりに、量が通常必要な範囲を著しく超えていることが要件です。契約書面の受領日から8日を過ぎた後でも、過量にあたるなら検討の余地があります。クーリング・オフの期間と対象は訪問販売のクーリング・オフで確認できます。店舗兼用住宅など事業用の契約での扱いは店舗兼用住宅の外壁塗装とクーリング・オフの条文にあります。
解除したときの扱い
第9条の2第3項は、第9条の第3項から第8項を準用しています。条文から読み取れる扱いは次のとおりです。
- 撤回や解除の効力は、書面または電磁的記録による通知を発した時に生じます。
- 業者は、撤回や解除に伴う損害賠償や違約金を請求できません。
- すでに工事が行われていても、業者は役務の対価その他の金銭を請求できません。
- 業者が前金などを受け取っているときは、速やかに返還する義務があります。
- 工事で建物の現状が変わったときは、原状回復に必要な措置を無償で求められます。
- これらに反する特約で契約者に不利なものは無効です。
出典: e-Gov法令検索「特定商取引に関する法律」第9条、第9条の2(確認日 2026-10-15)。
契約前に確かめる点
- その訪問で勧められた工事が、すでに契約済みの工事や最近の工事と重なっていないかを見ます。屋根と外壁、外壁と付帯部、足場を別の契約にしていないかも確かめます。
- 見積や契約書の工事内容が、いまの家に必要な範囲かを、劣化の写真や調査結果と照らして業者に尋ねます。
- 他の契約と合わせた総額を、その場で決めずに家族と確かめます。契約の前に断る言い方は契約前の断り方にあります。
- 突然の訪問で無料点検から工事を勧められた場合の注意点は無料点検で危ないと言われたときで確かめられます。
契約や勧誘で困ったときの公的な窓口は見積に迷ったときの公的な相談窓口にあります。今回の契約が過量販売にあたるかどうかや、通知の出し方は、消費者庁や国民生活センター、お住まいの地域の消費生活センターなどの公的な窓口で確かめてください。
このページでできないこと
条文が定める解除の仕組みの紹介にとどまります。個別の契約が「著しく超える」にあたるか、特別の事情があるか、解除ができるかの判定はしません。見積が高い・安いかの判定も、塗装業者の紹介もしません。お住まいの県の塗装工日額は都道府県別の塗装工日額ページの一覧から確認できます。
よくある質問
訪問販売で外壁や屋根の工事を重ねて契約したら解除できますか
特定商取引法第9条の2は、日常生活で通常必要とされる回数・期間・分量を著しく超える役務提供契約を、訪問販売の契約者が申込みの撤回または解除できると定めています(確認日 2026-10-15)。ただし、契約を必要とする特別の事情があったときは対象外です。個別の契約が当たるかの判定はこのサイトではしません。
過量販売の解除はいつまでできますか
第9条の2第2項は、契約の締結の時から1年以内に行使するよう定めています。クーリング・オフの8日間とは別の期限です。
過量販売で解除したとき、違約金や工事代金は払いますか
第9条の2第3項は第9条第3項から第8項を準用しており、損害賠償や違約金の請求はできず、すでに工事が行われた場合も対価の請求はできないと定めています。壁などの現状が変わったときは、原状回復を無償で求められます。
