外壁塗装の景観重要建造物の許可(景観法第22条・色彩の変更)

指定を受けた景観重要建造物で外壁の色彩や外観を変える前に要る市町村長などの許可について説明します。届出・認定との違いと、確かめる順番も示します。

足場上で住宅の外壁をローラー塗装する作業風景

景観重要建造物の外観を変えるには許可が要る(第22条)

景観行政団体の長は、景観計画区域内の良好な景観の形成に重要な建造物を、景観重要建造物として指定できます。指定の前には、所有者の意見を聴きます(第19条第1項・第2項)。景観行政団体は、景観計画を定める自治体です。

第22条第1項は、何人も景観行政団体の長の許可を受けなければ、景観重要建造物の次の行為をしてはならないと定めています。

ただし、通常の管理行為、軽易な行為その他政令で定めるもの、非常災害のため必要な応急措置として行う行為は、許可の対象外です。外壁塗装がどこまで通常の管理行為や軽易な行為にあたるかは、このページでは確認していません。出典: e-Gov法令検索「景観法」第19条・第22条(確認日 2026-10-20)。

許可の判断と条件(第22条第2項・第3項)

景観行政団体の長は、申請に係る行為が景観重要建造物の良好な景観の保全に支障があると認めるときは、許可をしてはなりません(第2項)。保全のため必要があると認めるときは、許可に条件を付けることができます(第3項)。塗装の色や工法を、許可の条件に合わせて決めることになる場合があります。国の機関や地方公共団体の行為は許可が不要で、事前の協議になります(第4項)。

景観計画区域の届出・景観地区の認定との違い

項目景観重要建造物の許可景観計画区域の届出景観地区の認定
根拠景観法第22条景観法第16条景観法第62条・第63条
対象指定を受けた建造物区域内の建築物など景観地区内の建築物
手続きの性質許可。支障があるときは許可されない届出。基準に合わないときは勧告認定。認定証の交付後に工事

景観重要建造物について第22条第1項の許可を受けて行う行為には、第16条の届出は適用されません(第16条第7項第3号)。また、景観重要建造物に指定された建築物には、景観地区の認定の規定(第62条から第68条まで)も適用されません(第69条第1号)。指定を受けた建物は、届出や認定ではなく、許可の手続きを確かめます。届出は外壁塗装の景観計画区域の届出、認定は外壁塗装の景観地区の認定にあります。

自治体の案内の例

自治体外観を変えるときの手続きそのほかの案内
神奈川県鎌倉市外観を変更するには市長の許可が必要。変更の内容が良好な景観形成に支障があると認めた場合は不許可になることがある市の条例による景観重要建築物等は、許可ではなく届出制で、景観法の景観重要建造物とは別の制度と案内している
京都市増築、改築、移転、除却、外観の変更を伴う修繕や模様替え、色彩の変更には市長の許可が必要。建造物を通常管理するための軽易な行為や非常災害の応急措置は許可を必要としない指定は、国宝や重要文化財の指定を受けた場合などを除き解除されない。税制面の支援や外観の修理・修景に係る補助制度がある

出典: 鎌倉市「景観重要建造物(景観法)と景観重要建築物等(市条例)の制度比較」(PDF)、京都市「景観重要建造物について(概要)」(PDF)(いずれも確認日 2026-10-20)。申請の窓口、必要な書類、許可の基準は自治体ごとに違い、上の2市の扱いは他の自治体には当てはまりません。鎌倉市の「景観重要建築物等」のように、名前が似た市独自の制度もあります。

確かめる順番

  1. 建物が景観重要建造物に指定されているかを、市区町村の景観担当課のページや窓口で確かめます。「市区町村名+景観重要建造物」で探すと、指定の一覧が出る自治体もあります。
  2. 指定されている場合は、塗り替え(同じ色を含む)に許可が要るか、許可の基準と申請の時期、必要な書類を景観担当課に聞きます。
  3. 許可が下りるまで着工しないことを、見積や契約書の工期に反映し、申請を誰が出すかを業者と決めます。聞く言葉は契約前に業者へ聞く質問リストにあります。
  4. 指定されていなければ、外壁塗装の景観計画区域の届出、外壁塗装の風致地区の許可、外壁塗装の伝建地区の許可など、該当しうる制度を窓口で確かめます。

このページでできないこと

このページは条文と公式案内の紹介にとどまります。お住まいの建物が対象かどうかの判定、個別の見積が適正かどうかの判定、塗装業者の紹介はしません。お住まいの県の塗装工日額は都道府県別の塗装工日額ページの一覧から確認できます。

よくある質問

景観重要建造物の外壁を塗り替えるとき、許可は必要ですか

景観法第22条第1項は、外観を変更することとなる修繕もしくは模様替、または色彩の変更に、景観行政団体の長の許可を求めています。ただし、通常の管理行為や軽易な行為などで政令で定めるものは対象外です。どこまでが対象外にあたるかは自治体で確認します。

許可が下りないことはありますか

景観法第22条第2項は、申請に係る行為が景観重要建造物の良好な景観の保全に支障があると認めるときは、許可をしてはならないと定めています。第3項により、許可に条件が付くこともあります。

景観計画区域の届出も別に出しますか

景観重要建造物について第22条第1項の許可を受けて行う行為には、第16条の届出は適用されません(第16条第7項第3号)。指定を受けた建物は、届出ではなく許可の手続きを確かめます。