都市計画法と政令が決めていること
都市計画法第58条第1項は、風致地区内の建築物の建築、宅地の造成、木竹の伐採などの行為を、政令の基準に従って地方公共団体の条例で規制できると定めています。条例を定めるのは、面積10ヘクタール以上で2以上の市町村にわたる風致地区は都道府県、その他は市町村です(政令第2条)。
この政令(風致地区内における建築等の規制に係る条例の制定に関する基準を定める政令)の第3条第1項は、許可を受ける行為の一つに「建築物その他の工作物の色彩の変更」を挙げています。許可は行為の前に受けます。許可を出すのは、10ヘクタール以上の風致地区では都道府県知事(市の区域内では市長)、その他の風致地区では市町村長です。通常の管理行為や軽易な行為など、条例で定めるものは対象から外れます。
許可の基準は第4条第3号が定めています。変更後の色彩が、変更する建築物のある土地と周辺の区域の風致と著しく不調和でないことです。色の種類や明るさの数値までは政令に書かれていないため、詳しい基準は各自治体の条例と手引で確かめます。出典: e-Gov法令検索「都市計画法」第58条、e-Gov法令検索「風致地区内における建築等の規制に係る条例の制定に関する基準を定める政令」第2〜4条(確認日 2026-10-18)。
3市の公式案内に見る許可の対象と手続き
許可が要る範囲と手続きは、条例を定める自治体ごとに違います。横浜市・名古屋市・大阪市の例です。
| 自治体 | 色彩の変更の扱い | 色の基準・申請の添付図書 |
|---|---|---|
| 横浜市 | 風致地区条例第2条第1項で、建築物等の色彩の変更を市長の許可が要る行為に挙げる。第3項の許可不要の行為には、屋根・壁面・煙突・門・へい・橋・鉄塔などに類するもの以外の色彩の変更が入る(屋根や壁面の色彩の変更は含まれない) | 条例の許可基準は、変更後の色彩が周辺の風致と著しく不調和とならないこと |
| 名古屋市 | 風致地区内建築等規制条例に基づき、建築物その他の工作物の色彩の変更を市長の許可が要る行為に挙げる | 手引は、原色や彩度の高い色を避け、落ち着いた色を基調にするよう求める。色見本・材料見本の提示を求める場合があると書く |
| 大阪市 | 風致地区内の規制条例に基づき、建築物等の意匠・色彩の変更を市長の許可が要る行為に挙げる | 申請の関係図書に、意匠・色彩がわかるよう着色した立面図が入る。申請は窓口への持参のほか、市の行政オンラインシステムでも受け付ける旨の案内がある |
出典: 横浜市風致地区条例、名古屋市「風致地区内建築等 許可申請のてびき」、大阪市「風致地区内における行為について」(いずれも確認日 2026-10-18)。他の自治体の扱いではありません。同じ色で塗り替える場合を許可の対象から外すかどうかは、このページで確認した範囲では書かれていません。窓口で確かめます。
景観法の届出とは別の手続き
風致地区の許可は都市計画法に基づく条例の手続きで、景観計画区域の届出は景観法に基づく手続きです。根拠の法律が違うため、家が両方の区域にかかっていれば、それぞれの窓口に確認します。景観法の届出は外壁塗装の景観計画区域の届出に、条文と自治体の案内をまとめています。歴史的な町並みを守る伝建地区の許可(文化財保護法)は外壁塗装の伝建地区の許可を、登録有形文化財(建造物)の届出は外壁塗装の登録有形文化財の届出を見てください。
確かめる順番
- 家が風致地区に入っているかを、市区町村の都市計画の窓口や、公開されている都市計画図で確かめます。市区町村の名前に「風致地区」と添えて探すと、公式の案内が出ます。
- 入っている場合は、風致地区の条例を定めている自治体(市区町村か都道府県)に、外壁の色の塗り替えが許可の対象か、同じ色の塗り替えも含むかを聞きます。
- 対象なら、申請に必要な図書(着色した立面図、色見本など)と、許可が出るまでの期間を聞きます。許可は行為の前に受けるため、塗装の着工日は許可が出る時期を見込んで決めます。
- 申請を誰がするか(施主か、業者が代理か)を業者に聞き、見積や契約書の日程に反映します。契約前に聞く言葉は契約前に業者へ聞く質問リストにあります。
地域の人が結ぶ建築協定で外壁の色が決まっている区域もあります。外壁塗装と建築協定に、調べ方があります。
工事の内容によっては建築確認申請も要ります。要るかどうかは建築確認申請のページにあります。契約前に確かめる制度の一覧は制度の早見表です。
このページでできないこと
法令の原文と3市の案内の紹介にとどまります。お住まいの地域の許可の要否や、色が許可されるかどうかの判定はしません。要否は、お住まいの市区町村(または都道府県)の窓口で確認します。個別の見積が適正かどうかの判定や、塗装業者の紹介もしません。お住まいの県の塗装工日額は都道府県別の塗装工日額ページの一覧から確認できます。
よくある質問
風致地区で外壁を塗り替えるとき、許可は必要ですか
政令は、風致地区内の建築物等の色彩の変更を、あらかじめ許可を受ける行為の一つに挙げています。ただし、許可が要る範囲は自治体の条例で決まります。横浜市の条例は、屋根・壁面・門・へいなどの色彩の変更を許可の対象から外していません。お住まいの市区町村の窓口で確認します。
風致地区の許可と景観法の届出は同じものですか
別の制度です。風致地区の許可は都市計画法第58条に基づく条例の手続き、景観法の届出は景観計画区域での手続きで、根拠の法律が違います。家が両方の区域にかかる場合もあるため、それぞれの窓口で確認します。
風致地区では、どんな色なら許可されますか
政令の許可基準は、変更後の色彩が周辺の風致と著しく不調和でないことです。名古屋市の手引は、原色や彩度の高い色を避けて落ち着いた色を基調にするよう求め、色見本や材料見本の提示を求める場合があると書いています。数値の基準は自治体ごとに違うため、窓口で聞きます。
