外壁塗装の景観計画区域の届出(景観法第16条・着手30日前)

同じ色の塗り替えの扱いも含め、外壁の色彩を変える前に要ることがある景観法の届出について説明します。要否は自治体ごとに違うため、確かめる先と順番も示します。

足場上で住宅の外壁をローラー塗装する作業風景

景観法第16条が届出を求める行為

景観法第16条第1項は、景観計画区域内で次の行為をしようとする者に、あらかじめ、行為の種類・場所・設計または施行方法・着手予定日などを景観行政団体の長に届け出ることを求めています。景観行政団体は、景観計画を定める自治体です。

外壁塗装は、第1号の「色彩の変更」や「外観を変更することとなる修繕」にあたる場合があります。同条第7項第1号は、通常の管理行為や軽易な行為で政令で定めるものには第16条の届出を適用しないと定めています。どこまでがこれにあたるかは、このページでは確認していません。出典: e-Gov法令検索「景観法」第16条(確認日 2026-10-12)。

届出から着手までの期間(第18条)

第18条第1項は、届出をした者は、景観行政団体が届出を受理した日から30日を経過した後でなければ、その行為に着手してはならないと定めています。第16条第3項は、届出に係る行為が景観計画の制限に適合しないと認めるとき、設計の変更などを勧告できると定めています。条例で定める特定の届出対象行為では、第17条により、形態意匠の制限に適合させるための措置を命じられることもあります。塗装の日程は、この30日を見込んで業者と決めます。

自治体の案内の例(規模の基準は自治体で違う)

どの建築物が届出の対象かは、自治体が景観計画と条例で決めています。公式ページから確認できた2市の例を示します。

自治体期限・事前の手続き色彩の変更の扱い対象の基準(建築物の例)
千葉県船橋市行為に着手する30日前までに届出(正副2部)。変更があれば変更の届出も必要「大規模な外観の変更」を、外観の過半を変更することとなる修繕もしくは模様替または色彩の変更と説明延べ面積2,000平方メートル超、または高さ10m超(市街化調整区域)・15m超(市街化区域)
東京都町田市着手の30日前までに届出。一定規模以上の建築等や景観形成誘導地区内は、届出の30日以上前かつ設計が容易に変更できる時期までに事前協議。その他の対象行為も届出の前までに事前相談色彩の変更に「同じ色での塗り替えを含む」と明記景観形成ゾーンでは高さ10m以上、集合住宅で9戸以上、延べ面積1,000平方メートル以上のいずれか。景観形成誘導地区は別の基準

出典: 船橋市「景観法第16条に基づく届出について」(更新日 平成29年4月20日、確認日 2026-10-12)、町田市「町田市の届出制度による景観づくり」(2026年4月版、確認日 2026-10-12)。基準や期限は改正されることがあり、他の自治体の数値ではありません。

確かめる順番

  1. 家のある市区町村が景観行政団体か、景観計画区域に入っているかを、自治体の景観担当課のページや窓口で確かめます。市区町村の名前に「景観」「届出」と添えて探すと、公式の案内が出ます。
  2. 自治体の届出基準で、自宅の建築物の規模(延べ面積・高さ・戸数など)が対象にあたるかを聞きます。同じ色の塗り替えを含むかどうかも、自治体の案内で確かめます。
  3. 対象になる場合は、届出の期限と、事前協議が先に要るかを聞き、塗装の着工日を決める前に見積や契約書の日程へ反映します。
  4. 届出を誰が出すか(施主か、業者が代理か)と、その費用がどこに入るかを業者に聞きます。契約前に聞く言葉は契約前に業者へ聞く質問リストにあります。

塗る前の行政手続き・6つの早見表

家のある場所によって、色を変える前に要る手続きの名前と根拠の法令が違います。各ページの原文と自治体の公式案内で確かめた内容の要約です。

区域・建造物手続き根拠詳しいページ
景観計画区域届出(着手の30日前まで)景観法第16条・第18条このページ
風致地区許可(着工前)都市計画法第58条と条例風致地区の許可
伝統的建造物群保存地区(伝建地区)現状変更の許可文化財保護法・同施行令伝建地区の許可
景観重要建造物許可景観法第22条景観重要建造物の許可
景観地区認定景観法第62条・第63条景観地区の認定
地区計画の区域届出(着手の30日前まで)都市計画法第58条の2地区計画の届出

同じ家が複数の区域に重なることがあります。対象になるかどうかは、自治体の窓口で確かめます。

景観法とは別に、風致地区では都市計画法に基づく条例で色彩の変更に許可が要る場合があります。外壁塗装の風致地区の許可に整理しています。 色彩の変更に市町村長の認定が要る景観地区は外壁塗装の景観地区の認定に、指定を受けた景観重要建造物の許可は外壁塗装の景観重要建造物の許可にあります。地域の人が結ぶ協定で色が決まる区域は外壁塗装と建築協定にあります。地区計画の区域では、外壁塗装の地区計画の届出もあります。歴史的な町並みを守る伝建地区では、文化財保護法に基づく許可が別に要る場合があり、外壁塗装の伝建地区の許可にまとめています。壁面に看板や広告がある建物は、壁面に広告のある建物の外壁塗装と屋外広告物の許可も見てください。

自治体ごとに違う手続きとしては、補助金の窓口を外壁塗装の自治体補助金の見方で、契約前に確かめる制度の一覧を契約前に確かめる制度の早見表で整理しています。工期の取り決めは工期が雨天・悪天候で延びたときの取り決めにあります。

このページでできないこと

条文と2市の案内の紹介にとどまります。お住まいの自治体で届出が要るかどうかの判定はしません。届出の要否は、お住まいの自治体の景観担当課で確認します。個別の見積が適正かどうかの判定や、塗装業者の紹介もしません。お住まいの県の塗装工日額は都道府県別の塗装工日額ページの一覧から確認できます。

よくある質問

外壁を同じ色で塗り替えるだけでも、景観法の届出は必要ですか

景観法第16条第1項は、色彩の変更を届出の対象に含めています。町田市の案内は、色彩の変更に同じ色での塗り替えを含むと書いています。ただし、届出が要るのは自治体が景観計画で決めた規模以上の建築物で、船橋市の案内では外観の過半を変更する場合などです。お住まいの自治体の景観担当課で確認します。

届出はいつまでに出しますか

景観法第18条第1項は、届出を受理した日から30日を経過した後でなければ着手してはならないと定めています。船橋市と町田市は、着手の30日前までの届出を案内しています。自治体によっては事前協議が先に必要です。

届出は施主と業者のどちらが出しますか

景観法第16条第1項は、行為をしようとする者に届出を求めています。船橋市の案内には、事業主以外の方が代理で届出を行う場合の委任状が載っています。誰が出すかは業者と決め、見積や契約書のどこに書くかを聞きます。