部分塗装(一面だけ)の足場面積の出し方

一面だけ塗る部分塗装でも、足場はその面の幅×高さが要ります。全周と一面の例で、見積の足場の㎡数を概算する手順を示します。

足場上で住宅の外壁をローラー塗装する作業風景

一面だけ塗っても、足場はその面の「幅×高さ」は要る

国土交通省の公共建築数量積算基準(令和5年改定)は、外部本足場の数量を「足場の中心の水平長さと構築物等の上部までの高さによる面積」と定めています。足場の中心は外壁面から1.0mの位置が標準です。部分塗装で一面だけを塗る場合も、その面で作業するには、その面の幅と高さをおおう足場が要ります。

この基準は国の公共建築工事の積算ルールで、民間の見積がこの式で作られているとは限りません。ここでは、見積の足場の㎡数を自分で概算して照らす材料として使います。

8m×6mの家で、全周と一面だけを比べる

平面が8m×6m、足場の高さが6mの家を例にします。高さは説明のための仮定です。

項目全周を塗る例幅8mの一面だけの例
足場の水平長さ36m(全周)8m(その面の幅。端の回り込みは含まない)
高さ(仮定)6m6m
足場の数量36×6=216㎡8×6=48㎡(下限の目安)

一面だけでも足場は48㎡以上かかり、全周の216㎡の約22%です。端に足場を回り込ませる長さは基準に書かれていないため、48㎡は下限の目安です。見積の足場が48㎡を下回る場合や、全周を塗る見積と足場の㎡数がほとんど変わらない場合は、足場の範囲を業者に聞きます。

塗る面の幅と高さが変わると、足場の数量の下限の目安も変わります。次の表は、水平長さ×高さの式に仮定の幅と高さを当てはめた計算例です。幅と高さはすべて説明のための仮定で、実際の家の寸法ではありません。

一面だけの足場の数量の下限の目安(仮定の寸法での計算例)
塗る面の幅(仮定)高さ4m(仮定)高さ6m(仮定)高さ8m(仮定)
6m6×4=24㎡6×6=36㎡6×8=48㎡
8m8×4=32㎡8×6=48㎡8×8=64㎡
10m10×4=40㎡10×6=60㎡10×8=80㎡

表の㎡数は、端の回り込みを含まない下限の目安です。自分の家の面の幅と、見積に書かれた足場の高さを当てはめ、見積の足場の㎡数がこの下限を下回っていないかを確かめます。下回るときは、足場をどの範囲に組む前提かを業者に聞きます。

一面だけの見積で、業者に確かめる3点

人工(人数×日数の欄)の読み方は見積書の人工・日当の読み方、足場の項目全体は足場項目の確認ページ、条文は足場と労働安全衛生規則のページにあります。

このページでできないこと

部分塗装の足場代や総額の相場は示しません。個別の見積が適正かどうかの判定や、業者の紹介もしません。県ごとの塗装工日額は都道府県別の塗装工日額ページの一覧から確認できます。

出典: 国土交通省「公共建築数量積算基準」(令和5年改定、PDF)の仮設工事の章、労働安全衛生規則(e-Gov法令検索)。確認日 2026-10-13。

よくある質問

部分塗装なら、足場は不要ですか

塗る箇所の高さで決まります。労働安全衛生規則第518条第1項は、高さ2m以上で墜落のおそれがある作業には足場などで作業床を設けるよう求めています。一面だけでも2mを超える高さの作業なら、足場を使う前提で見積が作られているかを確かめます。

一面だけ塗る場合、足場代は全周の4分の1になりますか

国の積算基準は足場の数量を水平長さ×高さで定めるため、数量は面の幅に比例します。ただし端の回り込みの扱いは基準に書かれていません。例では幅8mの一面で48㎡以上、全周216㎡の約22%です。足場代の金額は業者ごとに違うため、足場の範囲と㎡数を聞きます。

足場の㎡数は、どう概算しますか

足場の中心は外壁から1.0mの位置が標準で、水平長さ×構築物の上部までの高さが数量です。一面だけなら、その面の幅×高さが下限の目安になります。民間の見積がこの式どおりとは限りません。

自分で塗る場合に見積のどの行が残るかは、自分で塗る場合と業者見積の比較で条文から確かめられます。足場以外も含む見積の項目の全体は見積の項目別チェックリスト、業者に聞く内容は契約前に業者へ聞く質問リストにあります。