塗装の見積に、木部の補修が入っていない形
木製の軒天、破風板、雨戸、ベランダの手すり、土台まわりの木部などに傷みがあっても、見積に補修の行がなければ、塗装は傷んだ上をそのまま塗る前提になっている可能性があります。塗装は表面を覆う工事のため、傷みそのものは塗っても直りません。見積書を受け取った段階で、木部の傷みを見ているかを確かめます。木部の補修に関わる大工の県別の日額は大工の労務単価を県別に比較で確かめられます。
国の調査の様式で、蟻害と腐朽はどう扱われているか
国土交通省の「建物状況調査の結果の概要(重要事項説明用)【木造・鉄骨造】」の様式では、外壁や軒裏などの各欄とは別に、「その他」として「蟻害」と「腐朽・腐食」の欄があります。それぞれ劣化事象等が「有」「無」「調査できなかった」のどれかを記入します。外壁塗装の業者の診断書が、この2つを調べて書面に残しているとは限らないため、見積前に確かめます。
| 確かめる点 | 国の様式での扱い | 見積前に聞くこと |
|---|---|---|
| 蟻害 | 「その他」の欄で、「有」「無」「調査できなかった」を記入 | 蟻害の有無を、誰がどこまで調べたか。見られなかった場所はどこか |
| 腐朽・腐食 | 同じく「その他」の欄で3択 | 木部の傷みをどの方法で見たか。写真は残るか |
| 調査の限界 | 参考資料で、目視を中心とした非破壊調査であり、瑕疵の有無や原因は判定しないと明記 | 診断書に原因や補修の要否まで書く場合、その根拠は何か |
この様式は建物状況調査(既存住宅状況調査方法基準、平成29年国土交通省告示第82号に適合する調査)の結果の概要であり、塗装業者が出す書面そのものではありません。書面にどの項目があるかを確かめる手がかりとして使います。
出典: 国土交通省「建物状況調査の結果の概要(重要事項説明用)【木造・鉄骨造】」(様式と参考資料、確認日 2026-10-14)。
塗装より先に補修が要ると分かった場合の見積の分け方
補修と塗装を1つの行にまとめると、何にいくらかかるかが読み取れず、複数社の見積を並べることもできません。次の形に分けてもらうよう、契約前に頼みます。
- 補修の行を塗装の行と分ける: 木部の交換、部分補修、防腐や防蟻の処理は、塗装とは別の行にして、箇所と数量を書いてもらう。
- 範囲を分けて書いてもらう: 契約前に分かっている傷みの箇所と、足場をかけて初めて分かる箇所を分ける。
- 追加が出たときの扱いを決めておく: 工事中に傷みが広がっていると分かった場合に、追加の金額を誰がいつ、どの書面で示すかを決める。追加工事の見方は追加工事の見積の読み方にあります。
- 塗装の保証の対象を確かめる: 傷んだ木部の上に塗る場合、その部分が保証の対象に入るか、外されているか。
契約前に業者へ聞く項目
- 木部(軒天、破風板、雨戸、手すり、土台まわりなど)の傷みを、現地調査で見たか。見た場所と見ていない場所はどこか。
- シロアリ被害の疑いがある場合、塗装の業者が調べるのか、別の専門の業者や建築士に調べてもらう前提か。
- 傷みが見つかった場合に、補修を自社で行うか、別の業者が行うか。別の業者の場合、塗装の工程との順序と、足場を共用するかどうか。
- 補修が塗装より先に必要な場合に、塗装の契約を補修の結果が出てから結ぶことができるか。
- 傷みの写真と、見た場所の記録を、契約前の書面かメールで残してもらえるか。
診断書に書かれる外壁の結果と、書面でもらう内容は外壁の劣化診断の診断書で確かめる点に、現地調査の中身は見積前の現地調査で確かめる項目にあります。
このページでできないこと
個別の外壁や木部の状態、シロアリ被害の有無、補修の要否の判定はしません。補修の費用の目安も、公的な資料で確かめられていないため示しません。個別の見積が適正かどうかの判定や、業者の紹介もしません。県ごとの塗装工日額は都道府県別の塗装工日額ページの一覧から確認できます。
よくある質問
木部が傷んでいる疑いがあるとき、塗装の見積をそのまま契約してよいですか
塗装は表面を覆う工事のため、傷んだ木部を塗って隠しても、傷みそのものは直りません。契約前に、傷みの範囲の確認方法と、補修が必要と分かった場合の見積の分け方を業者に書面で聞き、補修と塗装を別の行にしてもらいます。
国の調査の様式では、蟻害や腐朽はどう扱われていますか
国土交通省の建物状況調査の結果の概要(様式)には、外壁や軒裏の欄とは別に、「その他」として蟻害と腐朽・腐食の欄があり、それぞれ「有」「無」「調査できなかった」を記入します。外壁塗装の診断書に、この2つが書かれているかは業者ごとに異なります。
このページで、シロアリ被害があるかどうかは分かりますか
分かりません。このページは判定をせず、疑いがあるときに契約前に何を聞き、見積をどう分けてもらうかを整理するものです。被害の有無や範囲は、現物を調べた専門の業者や建築士の判断になります。
