国のガイドブックが案内する見積前の準備
一般社団法人住宅リフォーム推進協議会のガイドブックは、見積りの依頼時の注意点を、次のように案内しています。外壁塗装に限らず、住宅リフォーム全般の案内です。
- 見積を依頼する前に、要望のリストと、現状の住宅の図面を用意します(マンションの場合は管理規約も)。
- 複数の業者に、予算や工事内容などを同じ条件で依頼します。相見積りであること、無料の範囲で見積りを作成してほしいことを、あらかじめ伝えます。
- 現地調査やインスペクション(建物状況調査)をしてから、見積を作成してもらいます。
- 分からないところは納得いくまで確認します。「○○工事一式」などの箇所は、内容の説明を受けます。
出典: 住宅リフォーム推進協議会「マンガでわかる住宅リフォーム」(平成29年度版)の「リフォームの流れとポイント」、同令和元年度版(いずれも確認日 2026-10-12)。
業者の現地調査と建物状況調査は別のもの
ガイドブックが説明するインスペクションは、目視や計測などで、住宅の基礎や外壁のひび割れ、天井の雨漏りなどの劣化・不具合がないかを調べる「建物状況調査」です。専門家が住宅の状態を把握し、補修の必要性を踏まえて計画をつくるための調査として案内されています。業者が見積のために行う現地調査と同じものとは限りません。業者の現地調査で何を見るかは、この資料からは確認できません。見積前に、何を調べるのかを業者に聞きます。
現地調査の前に用意するもの
用意するものは、上のガイドブックの案内と、住まい手が日常点検で見る箇所の一覧(同協議会サイトの別の資料)をもとに、外壁塗装に当てはめて整理しました。
| 用意するもの | 内容 |
|---|---|
| 要望のメモ | 気になる箇所、予算の目安、工事の時期 |
| 現状の図面 | 手元にあれば、ガイドブックが用意するよう案内している資料です |
| 気づいている不具合 | 資料の日常点検の例にある、外壁の塗装の剥がれ・ひび割れ・変色、シーリング材のひび割れや剥がれ、雨どいの破損、天井の雨漏り跡など |
| 依頼の条件 | 相見積りであること、無料の範囲での作成を希望すること |
立ち会う日に、所有者が伝えること・受け取ること
ガイドブックには、立ち会いの当日の動き方を定めた記載は見つかりませんでした。次の表は、上で紹介した資料の案内(わからないことは確認する、打ち合わせの内容は記録に残す)を、立ち会いの場に当てはめた聞き方の例です。公的な基準ではありません。
| 当日にすること | 具体的な中身 | 根拠 |
|---|---|---|
| 気づいている不具合を指さして伝える | 前もってメモした、塗装の剥がれ・ひび割れ・シーリングの傷み・雨どいの破損などの場所を、現地で業者に直接示す | 日常点検の例(同協議会の資料) |
| 見てもらった箇所と、見ていない箇所を聞く | 屋根や高所、足場なしで見られない面を調べたか。調べていない面があれば、見積の面積や劣化の記載がどう扱われるか | ガイドブックの「わからないところは確認する」 |
| 質問と答えをメモに残す | 聞いた日付・内容・業者の答えを書く。見積書が出たら、メモと見積書の記載を見比べる | ガイドブックの契約時の書類に「打合せ記録(いつ何が決定されたかの記録)」がある |
| 写真を残すか、業者に頼む | 劣化箇所の写真を自分でも撮る。業者が撮った写真は、見積書に添えてもらえるか聞く | 資料に定めはなく、業者への依頼事項 |
写真は、見積書の劣化の記載と現地の状態がずれていないかを後から見比べるための材料になります。工事が始まってからの写真の残し方は工事中の写真・施工記録を残してもらう取り決めにあります。
現地調査のあとに、見積書で確かめる点
現地調査の中身は資料から確認できないため、次の点は公的な基準ではなく、見積書の根拠を確かめるための聞き方です。
- 工事の範囲(外壁のどの面か、付帯部を含むか)と面積は、見積書に書かれているか。
- 面積は、図面から出した数字か、現地で測った数字か。
- 劣化の状況(ひび割れ、シーリングの傷み、はがれなど)は、見積書や調査の記録に書かれているか。
- 劣化への対応(補修・下地の処理)が、見積書の項目になっているか。
- 「一式」の行は、内訳の説明を受けられるか。
内訳の項目の見方は外壁塗装の見積書の内訳の見方に、全体の確認の流れは見積を地域の水準と照らす確認の順番にあります。複数の見積を同じ条件で並べるときは相見積の比べ方を参照してください。
見積書が不安なときの相談先
ガイドブックによれば、住宅リフォーム・紛争処理支援センターの「住まいるダイヤル」は、契約前のリフォームの見積書をチェックして、電話で助言するサービス(リフォーム見積チェックサービス)を無料で行っています(令和元年度版の記載。現在の受付条件は公式サイトで確かめます)。ほかの窓口は見積に迷ったときの公的な相談窓口にまとめています。
現地調査で外壁の種類を確かめた後の見積の確認点は外壁の種類(窯業系サイディング・モルタル)で変わる見積の確認点にあります。
雨漏りやシミがある場合に、塗装と補修・防水が別の行で見積もられているかは外壁の雨漏り・劣化が進んだ場合の見積で確かめる点にあります。
診断書に書かれる外壁の結果と、書面でもらう内容は外壁の劣化診断の診断書で確かめる点にあります。
自分が住んでいない家の外壁塗装を遠方から頼むときの名義・立ち会い・連絡先の決め方は空き家・相続した家の外壁塗装を遠方から頼むとき確かめる点にあります。
診断や点検が無料か有料か、別に請求されないかは外壁塗装の「無料診断」「診断料」を見積の前に確認で確かめられます。
このページでできないこと
現地調査の手順・所要時間・費用の相場の提示、調査が十分だったかの判定はしません。個別の見積が適正かどうかの判定や、塗装業者の紹介もしません。お住まいの県の塗装工日額は都道府県別の塗装工日額ページの一覧から確認できます。
よくある質問
外壁塗装の見積に現地調査は必要ですか
住宅リフォーム推進協議会のガイドブック(平成29年度版)は、見積り依頼時の注意点として、現地調査やインスペクション(建物状況調査)をしてから見積を作成してもらうよう案内しています。法令で現地調査が義務とされているかは、この資料からは確認できません。
現地調査に立ち会う必要はありますか
ガイドブックには、立ち会いの要否を定めた記載は見つかりませんでした。立ち会うかどうかは任意と考え、立ち会わない場合は、見積書の面積や劣化の記載がどう調べて出された数字かを、後から業者に説明してもらいます。
現地調査で見積が無料になるとは限りませんか
ガイドブックは、見積依頼のときに、相見積りであることと、無料の範囲で見積りを作成してほしいことをあらかじめ伝えるよう案内しています。現地調査や見積の費用が無料かどうかは業者ごとに違うため、依頼の前に確かめます。
