外壁の劣化診断の診断書で確かめる点

見積の前に外壁の劣化診断を受けるとき、何を調べ、何を書面でもらうかを、国土交通省の建物状況調査の様式で確かめます。診断の費用や、個別の外壁の状態の判定はしません。

足場上で住宅の外壁をローラー塗装する作業風景

国の様式で、外壁について書かれる内容

国土交通省は、宅地建物取引の重要事項説明用に「建物状況調査の結果の概要」の様式を示しています。この様式では、雨水の浸入を防止する部分として外壁、軒裏、バルコニーなどの部位ごとに、劣化事象等が「有」「無」「調査できなかった」のどれかを記入します。「調査できなかった」の欄があるため、見られなかった外壁の面は「無」とは別に書かれます。

診断書で見る点国の様式での扱い見積前に聞くこと
外壁の結果「有」「無」「調査できなかった」の3択どの面を、どの高さまで見たか。見られなかった面はどこか
調査した人氏名、講習の修了証明書番号、建築士の資格種別と登録番号を記入診断した人の氏名と資格を書面に書いてもらえるか
調べていない行為設計図書との照合、法令違反の判定、性能の程度の判定、瑕疵の有無や原因の判定は行わない診断書に原因や工事の要否まで書く場合、その根拠は何か
調査の時点調査時点からの変化は保証しないと明記診断日と見積日が離れていないか

この様式は建物状況調査(既存住宅状況調査方法基準、平成29年国土交通省告示第82号に適合する調査)の結果の概要であり、塗装業者が見積のために出す診断書そのものではありません。業者の診断書がこの様式と同じ項目を持つとは限らないため、上の表は、書面にどの項目があるかを見積前に確かめる手がかりとして使います。

出典: 国土交通省「建物状況調査の結果の概要(重要事項説明用)【木造・鉄骨造】」(様式と参考資料、確認日 2026-10-15)。

診断の結果と、見積の根拠のつながり

国の様式の参考資料は、この調査を「目視を中心とした非破壊調査により、劣化事象等の状況を把握するもの」と説明し、劣化事象が構造的な欠陥によるものか、原因は何かといった瑕疵の判定は行わないとしています。劣化の有無を示す書面と、どの工事をどの範囲で行うかを決める見積は、別の判断です。診断書に劣化が書かれていても、見積の下地補修、シーリング、塗装の各行がその劣化のどの箇所に対応するかは、業者に説明してもらう必要があります。ひび割れ補修の行の読み方はひび割れ補修の見積項目にあります。

無料の診断と有料の診断

診断の費用や、無料の診断に何が含まれるかは、今回確かめた公的資料からは確認できませんでした。無料でも有料でも、契約前に次の3点を書面かメールで残します。

訪問してきた業者から無料点検を勧められた場合の勧誘の型は無料点検で危ないと言われたときの契約前の確認点に、業者が見積のために行う現地調査の中身は見積前の現地調査で確かめる項目にあります。

木部の腐朽やシロアリ被害の疑いがあり、塗装より先に補修が要る場合の見積の分け方は外壁の木部の腐朽・シロアリ被害が疑われるときの見積の分け方にあります。

ドローン・赤外線カメラによる調査の位置づけ

診断書に「ドローンで撮影」「赤外線カメラで調査」と書かれることがあります。国の資料で確かめられたのは、建築基準法の定期報告制度での扱いです。戸建て住宅の塗装前の診断に同じ条件が当てはまるかは、資料からは確認できません。

診断書では、使った手法の名前だけでなく、撮影の日時と天候、打診など他の方法を併用したか、調べた面と調べていない面が書かれているかを確かめます。手法の効果の大小や、どの手法が優れているかは、このページでは判断しません。

出典: 国土交通省・建築研究所「非接触方式による外壁調査の診断手法及び調査基準に関する検討」(PDF)、国土交通省住宅局「建築物の定期調査報告における調査及び定期点検における点検の項目、方法及び結果の判定基準並びに調査結果表を定める件等の一部を改正する告示について(周知)」(PDF)、確認日 2026-10-15。

診断や点検が無料か有料か、別に請求されないかは外壁塗装の「無料診断」「診断料」を見積の前に確認で確かめられます。

このページでできないこと

個別の外壁の劣化の程度や、塗装の要否の判定はしません。診断の費用の相場も、公的な資料で確かめられていないため示しません。個別の見積が適正かどうかの判定や、業者の紹介もしません。県ごとの塗装工日額は都道府県別の塗装工日額ページの一覧から確認できます。

よくある質問

劣化診断の診断書に、外壁のどんな結果が書かれますか

国土交通省の建物状況調査の結果の概要(様式)には、雨水の浸入を防止する部分として外壁の欄があり、劣化事象等の「有」「無」「調査できなかった」のいずれかを記入します。業者が見積のために出す診断書が同じ様式とは限らないため、書面にどの項目があるかを見積前に確かめます。

劣化診断の結果が「劣化あり」なら、塗装が必要という意味ですか

国土交通省の様式の参考資料は、この調査が目視を中心とした非破壊調査で劣化事象等の状況を把握するものであり、瑕疵の有無や原因は判定しないと明記しています。劣化の有無と、塗装の要否や工事範囲は別の判断です。

診断が無料のときと有料のときで、何が変わりますか

公的資料からは、診断の費用や、無料の診断に何が含まれるかを確認できません。無料でも有料でも、何を調べるか、書面を渡すか、見積と契約が条件になっていないかを、契約前に業者へ聞いて書面で残します。