2つの数字の違い
| 比べる点 | 公共工事設計労務単価(塗装工) | 地域別最低賃金 |
|---|---|---|
| 何のための数字か | 公共工事の予定価格の積算に使う単価 | 使用者が労働者に最低限支払う賃金の下限 |
| 対象 | 塗装工などの職種別(塗装工の単価がある) | 職種を分けず、その都道府県の労働者全体 |
| 決め方 | 公共事業で働いた建設技能者の賃金の支払い実態の調査をもとに、国が決定 | 地域の生計費・賃金・通常の事業の賃金支払能力を考慮して、都道府県ごとに決定 |
| 金額の単位 | 所定労働時間内8時間あたりの日額 | 1時間あたりの金額(時間によって定める) |
| 守らないと | 守る義務のある決まりではなく、積算の基準 | 使用者は最低賃金額以上を支払う義務がある |
出典: 国土交通省「令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価について」(PDF)、e-Gov法令検索「最低賃金法」第3条・第4条・第9条(確認日 2026-10-12)。
労務単価は、令和7年10月の調査で賃金台帳から集めた賃金を、所定労働時間内の8時間あたりに換算して集計し、決定されます。調査の目的は、公共工事の予定価格の積算に必要な単価を決めることです。一方、最低賃金法は、最低賃金額を時間によって定めるとし(第3条)、使用者は最低賃金額以上を支払わなければならず、下回る契約は無効になる(第4条)と定めています。
日額を8で割ると、最低賃金より高いか
日額を8で割った目安と、令和8年度の地域別最低賃金の答申額(厚生労働省が令和8年9月3日に公表)を並べます。8で割る換算は塗装工の労務単価を1時間あたりで読むと同じです。
| 都道府県 | 塗装工日額 | 8で割った目安 | 最低賃金(答申額) | 発効予定日 |
|---|---|---|---|---|
| 東京都 | 36,500円 | 4,562.5円 | 1,280円 | 令和8年10月1日 |
| 大阪府 | 32,300円 | 4,037.5円 | 1,231円 | 令和8年10月1日 |
| 山口県 | 25,900円 | 3,237.5円 | 1,101円 | 令和8年10月8日 |
3都府県とも、8で割った目安は最低賃金の額より大きい数字です(東京都は約3.6倍、山口県は約2.9倍)。ただし、この差を職人の取り分や業者の利益の大きさとして読むことはできません。日額には1日あたりで計上される臨時の給与や実物給与が含まれ、時給や手取りを示す金額ではないためです(1時間あたりで読むページ)。また、労務単価には法定福利費の事業主負担分などの必要経費が含まれず、積算では別の項目に計上されます(労務単価に含まれない必要経費)。
最低賃金の額は答申された改定額で、発効日は答申公示後の異議の申出の状況等により変更になる可能性があります。全国加重平均は1,177円(前年度1,121円)です。出典: 厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金額答申状況(別紙)」(PDF)、同報道発表資料(確認日 2026-10-12)。日額は令和8年3月適用の単価表の値です。
見積の人件費を読むときの使い方
- 見積の人件費の欄が、日額(人工)か時間単位かを確かめます。
- お住まいの県の塗装工日額は、都道府県別の塗装工日額ページで見ます。
- 見積の人件費の水準は、最低賃金ではなく、同じ日額の物差しで人件費の2つの確かめ方の手順で見比べます。
このページでできないこと
個別の見積の人件費が適正かの判定や、職人の実際の賃金の推計はしません。建設業に適用される特定最低賃金など、地域別最低賃金以外の最低賃金の確認は、このページでは行っていません。
よくある質問
塗装工の労務単価は、最低賃金の代わりに使えますか
使えません。労務単価は公共工事の予定価格の積算に使う、塗装工などの職種別の日額です。最低賃金は、職種を分けずに都道府県ごとに時間額で定める、使用者が守る義務のある下限です。
労務単価を8で割った金額が、最低賃金より高ければ問題ありませんか
このページでは、個別の見積や賃金の適否は判定しません。8で割った金額は日額を比べやすくした目安で、職人の時給ではありません。最低賃金を守っているかは、実際に支払われる賃金と労働時間で決まります。
最低賃金は何年度の額ですか
このページで引用したのは、厚生労働省が令和8年9月3日に公表した令和8年度の答申額です。発効予定日は都道府県ごとに異なり、変更になる可能性があります。
地域によって塗装工日額がどれだけ違うかは、外壁塗装の見積と地域係数のよくある質問の「地域によって塗装工日額は違いますか」でも確認できます。
