結論:見積期間は注文者が業者に与える日数、見積書の請求は施主から行える
建設業法第20条第3項は、建設工事の注文者に、契約を結ぶまでに請負契約の内容をできる限り具体的に示し、示してから契約までの間に、業者が見積りをするために必要な期間(政令で定める期間)を設けるよう求めています。この期間は、業者の見積書がいつまで有効かという期限とは別のものです。
第4項は、注文者から請求があったとき、建設業者は請負契約が成立するまでに、材料費・労務費などの内訳を書いた見積書(条文の名称は材料費等記載見積書)を交付しなければならないとしています。
出典: e-Gov法令検索「建設業法」第20条、同「建設業法施行令」第5条の9(確認日 2026-10-17)。
見積期間の日数(施行令第5条の9)
| 工事一件の予定価格 | 見積期間 | やむを得ない事情があるとき |
|---|---|---|
| 500万円に満たない | 1日以上 | 短縮の定めなし |
| 500万円以上5000万円に満たない | 10日以上 | 5日以内に限り短縮できる |
| 5000万円以上 | 15日以上 | 5日以内に限り短縮できる |
条文の区分は「予定価格」で、注文者が見込む工事の価格を指します。業者の見積額そのものではありません。国が入札で発注する場合は、別の政令の期間が見積期間とみなされます(同条第2項)。
個人の施主の見積依頼に、どこまで当てはまるか
第20条第3項の宛先は「建設工事の注文者」で、条文に個人を除く文言はありません。一方で、第3項が想定する場面は、随意契約で契約を結ぶ場合と入札の場合です。個人の施主が複数社に見積を頼む場合に、この日数をどう当てはめるかは、条文だけでは確かめられません。施主が守るべき義務として扱うのか、業者に十分な調査の時間を渡す目安として読むのかは、このページでは断定しません。
外壁塗装では、業者は現地調査の後に見積書を作ります。現地調査から見積書の提出までの日数を最初に聞いておくと、見積期間の考え方に沿った依頼になります。現地調査の流れは現地調査で見積の前に確かめることにあります。
見積書の請求(第4項)で確かめられること
- 請求の相手は建設業者で、請求するのは注文者(施主)です。
- 請求の期限は「請負契約が成立するまで」です。契約書に署名した後では、この条文の請求にはなりません。
- 交付する見積書は、工事の種別ごとの材料費、労務費、その他の経費の内訳と、工程ごとの作業に必要な日数を記載したものです(第1項)。
- 業者は、承諾を得たうえで電子的な方法で提供することもできます(第5項)。
見積書の内訳の見方は見積書の内訳の見方に、労務費に関する基準と第20条の全体は公共工事設計労務単価と民間の外壁塗装見積の違いにあります。
見積依頼のときに確かめる3点
- 現地調査から見積書の提出まで何日かかるか
- 見積書に、材料費・労務費などの内訳と作業の日数が書かれるか
- 内訳が無い場合、契約を結ぶ前に請求できるか
見積書の有効期限や、契約後の期限は見積から工事後までの期限の一覧で説明しています。
見積期間と見積書の請求についてよくある質問
外壁塗装の見積を頼むとき、業者に与える見積期間は何日ですか
建設業法施行令第5条の9は、工事一件の予定価格が500万円に満たない工事で1日以上、500万円以上5000万円に満たない工事で10日以上、5000万円以上で15日以上としています。やむを得ない事情があるときは、後2者の期間を5日以内に限り短縮できます。
業者に内訳つきの見積書を請求できますか
建設業法第20条第4項は、注文者から請求があったとき、建設業者は請負契約が成立するまでに材料費等記載見積書を交付しなければならないと定めています。請求は契約が成立するまでに行います。
このページで、個別の見積依頼が建設業法に適合しているか判定できますか
できません。契約や取引が建設業法に適合しているかどうかの判定は、このサイトでは行いません。トラブルの相談先は外壁塗装の見積に迷ったときの公的な相談窓口にあります。
このページでできないこと
個別の見積依頼や契約が建設業法に適合しているかどうか、個人の施主に見積期間の義務があるかどうかの判定はできません。条文の解釈が分かれる場面や紛争になった場合は、公的な相談窓口や専門家にご相談ください。出典と確認日はデータの出典をご覧ください。
