毎年見直される理由は、予定価格を適正に決めるため
公共工事設計労務単価は、国や自治体が公共工事の予定価格を決めるときの、職種ごとの1日分の賃金の水準です。国土交通省の令和8年2月17日の公表資料によると、予定価格は「予算決算及び会計令」で、取引の実例価格や需給の状況などを考えて適正に定めることとされています。
この定めに基づき、農林水産省と国土交通省は、公共工事の積算に必要な単価を決めるため、公共事業等に従事した建設技能者への賃金の支払い実態を、昭和45年から毎年定期的に調べています。賃金の実態が毎年変わるので、単価も毎年決め直されます。
見直しまでの流れ
| 段階 | 令和8年3月適用分の内容 |
|---|---|
| 調査 | 令和7年10月に施工中の、1件1,000万円以上の工事から無作為に抽出(有効工事件数10,031件、有効標本数85,670人) |
| 決定 | 令和7年度の公共事業労務費調査に基づき、公共工事設計労務単価を決定 |
| 公表 | 令和8年2月17日に公表 |
| 適用 | 令和8年3月から適用 |
調査の対象工事や標本数の詳しい内訳は公共事業労務費調査のしくみにあります。
14年連続の引き上げとは
公表資料は、令和8年3月適用の単価を、全国全職種の単純平均で前年度比4.5%の引き上げと説明しています。また、必要な法定福利費相当額を加算するなどの措置を行った平成25年度の改定から14年連続の引き上げになり、全国全職種の加重平均値が25,834円となって、初めて25,000円を超えたとしています。
この数字は建設業の全職種を合わせたものです。塗装工の日額ではありません。塗装工の都道府県別の日額は令和8年3月改定の内容、長い期間の動きは塗装工日額の長期推移と令和5〜8年の推移で確認できます。
見積を読むときの注意
- 公表資料は、この単価を公共工事の工事費の積算に用いるために設定するものと説明しています。民間の外壁塗装の見積額を直接決めるものではありません。
- 一方で、中央建設業審議会が勧告した「労務費に関する基準」では、この単価が、公共工事・民間工事を問わず「通常必要と認められる労務費」を計算する基礎となる水準としても位置づけられています。詳しくは労務費に関する基準と見積で整理しています。
- 単価には、事業主が負担すべき人件費(必要経費分)は含まれていません。公表資料は、下請代金に必要経費分を計上しないこと、または下請代金から値引くことは不当行為だとしています。
- 単価が毎年上がっても、見積額が同じ割合で動くとは限りません。材料費・足場代・工期なども見積に含まれます。
自分の県の水準は地域係数を調べるで確認できます。
出典: 国土交通省 報道発表資料「令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価について」(mlit.go.jp、mlit.go.jp・PDF、確認日2026-10-14)
よくある質問
労務単価は、なぜ毎年見直されるのですか
公共工事の予定価格を決めるとき、予算決算及び会計令が、取引の実例価格や需給の状況などを考えて適正に定めるよう求めているためです。農林水産省と国土交通省は、この積算に必要な単価を決めるために、公共事業等に従事した建設技能者への賃金の支払い実態を、昭和45年から毎年調べています(令和8年2月17日の国土交通省の公表資料)。
14年連続で上がったのは、塗装工の日額ですか
いいえ。14年連続の引き上げは、公表資料にある全国全職種の平均についての説明です。必要な法定福利費相当額を加算するなどの措置を行った平成25年度の改定から数えています。塗装工の日額の動きは、令和5年から令和8年の推移のページで確認できます。
毎年の見直しで、民間の外壁塗装の見積も毎年上がりますか
決まった連動はありません。公表資料は、この単価を公共工事の工事費の積算に用いるために設定するものと説明しています。一方で、中央建設業審議会が勧告した「労務費に関する基準」では、公共工事・民間工事を問わず、適正な労務費が確保されるべきとされています。見積額が単価の上がり方どおりに動くとは限りません。
このページでできないこと
このページは見直しの仕組みの説明で、自宅の外壁塗装の見積が適正かどうかは判定できません。見積を受け取ったあとの確認の順番は見積を受け取った後に確かめる順番をご覧ください。
