塗装職人の日当・日給と国の塗装工日額の違い

塗装職人の日当・日給で調べても、国の塗装工日額は職人個人が受け取る日給そのものではなく、公共工事の設計に使う賃金水準の単価です。構成、含まれない費用、見積の人件費との違い、世話役・職長の単価が塗装の表にない点を確認できます。

足場上で住宅の外壁をローラー塗装する作業風景

国の塗装工日額は、職人個人の日給ではない

国の公共工事設計労務単価(以下、労務単価)は、基本給相当額・基準内手当(通常の作業条件・作業内容の労働に対する手当)・臨時の給与(賞与等)・実物給与(食事の支給等)の4つで構成されます。国の単価表の注記は、この単価が「労働者に支払われる賃金に係わるもの」であり、現場管理費(法定福利費の事業主負担分、研修訓練等に要する費用等)と一般管理費等の諸経費は含まれないと書いています。

つまり塗装工の日額は、公共工事の積算で使う賃金の水準を職種ごと・都道府県ごとに定めた単価です。特定の職人の日給や日当の金額を示すものではなく、個人の支払いを知る資料にもなりません。

出典: 国土交通省「令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価について」の「公共工事設計労務単価の構成」、および農林水産省・国土交通省「令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価表」の注記(確認日 2026-11-06)。

日額・必要経費込みの参考値・見積の日当を並べて読む

国は、日額に法定福利費の事業主負担分や宿舎費などの必要経費を加えた参考値も公表しています。見積の「日当」や人工単価が、次のどの水準に近いかを見ると、含まれる範囲を業者に尋ねる手がかりになります。金額は令和8年3月適用の塗装工(橋りょう塗装工ではありません)です。

区分塗装工日額(賃金の水準)必要経費を加えた参考値
東京都36,500円53,900円
山口県25,900円38,300円
47都道府県の単純平均30,760円45,430円

日額は職人に支払われる賃金の水準、参考値は経費まで含めた水準です。見積の日当がこの間にあれば経費の一部を含む単価の可能性があり、日額より高くても直ちに高すぎるとは言えません。47都道府県の参考値は塗装工日額に必要経費を加えた参考値にあります。

日額に含まれない金額が、見積の日当に入ることがある

国の単価表は、時間外・休日・深夜の割増賃金と、各職種の通常の作業条件または作業内容を超えた労働に対する手当を含まないとしています。塗装工の職種定義は足場の組立・解体を除いているため、足場の作業も日額の対象外です。

人工(にんく)の数え方と、日額×人数×日数で労務の部分を概算する手順は塗装の人工単価の読み方にあります。

世話役・職長の単価は、塗装工の表にない

親方や職長の日当を知りたいときに「世話役」の単価を探す人がいます。国の単価表で「世話役」と付く職種は、潜かん世話役・トンネル世話役・橋りょう世話役・土木一般世話役の4つで、職種定義はいずれも潜かん工事・トンネル坑内・橋りょう関係・土木工事での「もっぱら指導的な業務を行うもの」です。「職長」という職種名は、令和8年3月適用の単価表には出てきません。

したがって、外壁塗装の見積に職長の人件費が入るか、入るならいくらかを、国の単価表から読むことはできません。見積に職長や監督の費用が別に立っているか、現場管理費に含まれているかは、見積書の内訳で業者に確かめる事柄です。

出典: 農林水産省・国土交通省「令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価表」の職種定義 17・21・24・25(確認日 2026-11-06)。

日当・日給で調べた人がよく持つ疑問

国の塗装工日額は、塗装職人の日給と同じですか

同じとは限りません。日額は公共工事の設計に使う賃金水準の単価で、職人1人が実際に受け取る日給を示すものではありません。年収との違いは塗装工の労務単価の日額と職人の年収の違いで説明しています。

塗装の世話役・職長の単価は、国の単価表にありますか

塗装工の表には見当たりません。「世話役」は土木工事の4職種だけで、「職長」の職種名は単価表に出てきません。

日当や日給が日額より高い見積は、高すぎますか

判断できません。見積の日当には、現場管理費や諸経費、時間外の割増などが含まれていることがあります。含まれる範囲を業者に確かめる必要があり、金額の差だけで見積の適正・不適正は決められません。

このページでできないこと

個別の見積の日当が適正かどうかの判定や、職人個人の実際の日給の推計はできません。塗装工事は国の標準歩掛り(1人が1日に塗れる面積)が公的に存在しないため、日当から㎡単価への換算もしません。塗装業者の紹介もしません。出典と確認日はデータの出典をご覧ください。

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