雨天・悪天候で工期が延びたときに、契約前に確かめる6項目
外壁塗装は屋外の作業で、雨や強風の日は塗装を進めにくい工程があります。工期が延びたとき、日数・費用・支払いをどう扱うかは、契約の前に書面で決めておくと後で迷いません。次の6項目を業者に聞き、答えを書面に残します。これは業者の適否を決める表ではなく、聞き漏らしを防ぐための項目です。
| 項目 | 業者に聞く言葉 | 答えの読み方 |
|---|---|---|
| 着工日と完成日 | 「着工日と完成日は、いつと書きますか。予備の日は含みますか」 | 建設業法第19条第1項第3号は、工事着手の時期と完成の時期を書面に記載するよう定めています。予備日を含む書き方かを確かめます。 |
| 作業しない日 | 「雨の日は作業をしない前提ですか。作業しない日の決め方はありますか」 | 同項第4号は、工事を施工しない日または時間帯の定めをするときは、その内容を書くとしています。天候で作業を止める判断を、だれが、どう決めるかを聞きます。 |
| 天候による日数の延び | 「長雨や台風で日数が延びたとき、完成日はどう変わりますか」 | 同項第7号は、天災その他不可抗力による工期の変更または損害の負担と、その額の算定方法に関する定めを書くとしています。雨天がこれに当たるかは、書面の文言と個別の事情で変わります。 |
| 延びた分の費用 | 「日数が延びたとき、足場の使用料や人件費の追加はありますか。ある場合の計算方法は」 | 第7号の「損害の負担及びその額の算定方法」に当たる部分です。追加の有無と計算方法を、数字か式で書面にしてもらいます。 |
| 支払いの時期 | 「完成日が延びたとき、残金の支払日はどうなりますか」 | 同項第12号は、工事完成後の請負代金の支払の時期と方法を書くとしています。民法第633条は、何も決めなければ報酬は引渡しと同時に払うと定めています。 |
| 遅れが業者の都合のとき | 「天候ではなく業者の都合で遅れたとき、違約金や遅延利息はありますか」 | 同項第14号は、履行の遅滞その他の債務不履行の場合の遅延利息、違約金その他の損害金を書くとしています。天候による延びと区別して書かれているかを見ます。 |
出典: e-Gov法令検索「建設業法」第19条第1項、「民法」第633条(確認日 2026-10-11)。契約書に書く16の事項の全体は外壁塗装の契約書に書く事項にあります。
工期を変えるときの書面の交わし直し
建設業法第19条第2項は、請負契約の内容で第1項に掲げる事項に当たるものを変更するときは、その変更の内容を書面に記載し、署名または記名押印をして相互に交付するよう定めています。工期と完成の時期は第1項第3号の事項ですから、天候で完成日が動くときも、口約束だけで済ませず、変更後の日付を書面で受け取ります。出典: e-Gov法令検索「建設業法」第19条第2項(確認日 2026-10-11)。
追加の工事が加わって日数が延びるときの見方は追加工事の見積の見方にまとめています。
契約書や見積書への書き方の例
天候で工期が延びたときの扱いは、契約書の特約か、見積書の備考に書けます。次は書面に残す形を示すこのサイトの例で、標準の書式にある文言ではありません。
| 書く事項 | 書き方の例 |
|---|---|
| 工期 | 着工は○月○日、完成は○月○日とする。天候による作業の休止日は、工期の○日分を予備として見込む。 |
| 工期の変更 | 天候その他やむを得ない事由で完成日が変わるときは、受注者が速やかに発注者へ知らせ、変更後の完成日を書面で取り交わす。 |
| 延びた分の費用 | 天候による休止日が予備日の範囲を超えたときの追加費用は、有る/無しとし、有る場合は1日あたり○円とする。 |
| 支払い | 残金は、完成後の引渡しの日から○日以内に支払う。完成日が変わったときは、変更後の引渡しの日から数える。 |
○の部分は、業者と相談して数字を入れます。上の文言は、この通りに書けば足りるとは限りません。
見積の人件費との関係
見積書の労務費の行には、人数と日数が書かれていることがあります。建設業法第20条第1項は、建設業者に、工事の工程ごとの作業とその準備に必要な日数を記載した見積書を作るよう努めることを求めています(確認日 2026-10-09)。日数が延びたとき、労務費の行がそのまま動くのか、動かないのかは、見積書だけでは分かりません。上の表の「延びた分の費用」の答えと合わせて、見積の日数の行の読み方は見積書の人工・日当の読み方で確かめられます。
契約より前に確かめる全体の質問は契約前に業者へ聞く質問リストにあります。
塗料メーカーの資料に書かれた気温・湿度などの施工できない条件は、外壁塗装に向く季節と気温・湿度の施工条件にまとめています。
工程ごとの日数と工程表の求め方は外壁塗装の工事日数と工程表を契約前に確かめる項目に、足場を架けておく期間の聞き方は外壁塗装の見積の足場項目を契約前に確かめる点にあります。
時間外労働の上限規制や週休2日が工期に関わる点は建設業の時間外労働の上限規制と週休2日が外壁塗装の工期・見積の日数に関わる点にまとめています。夏の暑い時期の作業時間帯と工期の関係は外壁塗装の熱中症対策の義務化(2025年6月1日施行)と見積・工期で確かめる点にあります。
このページでできないこと
雨の日が何日までなら延びとして普通か、延びた分の費用がいくらなら妥当か、といった基準は、このサイトでは確かめられませんでした。個別の工期や費用が適切かどうか、見積が高い・安いかの判定もできません。工期の短さについては建設業法第19条の5が、通常必要と認められる期間に比して著しく短い工期での契約を禁じていますが、個別の工期がこれに当たるかは判定しません。塗装工事は市場単価で積算され、国の標準歩掛りが公的に存在しないため、日額から1平方メートルあたりの単価も出しません。契約や工事で困ったときの公的な窓口は見積に迷ったときの公的な相談窓口にまとめています。
よくある質問
雨が続いて工期が延びたら、追加の費用を払う必要がありますか
払うかどうかは契約書の定め次第です。建設業法第19条第1項第7号は、天災その他不可抗力による工期の変更または損害の負担とその額の算定方法に関する定めを、契約書面に書くとしています。雨天がこれに当たるかは書面の文言と個別の事情で変わるため、契約前に追加費用の有無と計算方法を業者に確かめ、書面に残します。
天候で完成日が変わるとき、書面は必要ですか
建設業法第19条第2項は、第1項の事項に当たる契約内容を変更するときは、その内容を書面に記載し、署名または記名押印をして相互に交付するよう定めています。完成の時期は第1項第3号の事項なので、変更後の日付を書面で受け取るのが確実です。
工期が延びたとき、残金の支払日も延ばせますか
民法第633条は、報酬は仕事の目的物の引渡しと同時に支払うと定め、建設業法第19条第1項第12号は、完成後の支払の時期と方法を書面に書くとしています。完成日が変わったときに支払日をどう数えるかを、契約前に書面で決めておきます。
