見積書の法定福利費の内訳明示:算出式と対象の保険

法定福利費をどう計算して見積書に書く決まりか、対象になる保険と対象にならない保険は何かを、国土交通省の作成手順の本文で確認できます。

足場上で住宅の外壁をローラー塗装する作業風景

法定福利費とは

国土交通省の資料は、法定福利費を「法令に基づき企業が義務的に負担しなければならない社会保険料」と説明しています。資料が挙げる保険は、健康保険、厚生年金保険、雇用保険で、労災保険は元請一括加入と注記されています。元請一括加入とは、労災保険を下請の会社ごとではなく、元請の会社がまとめて加入する扱いのことです。

出典: 国土交通省「法定福利費を内訳明示した見積書」について(確認日 2026-10-09)。この資料に作成年は書かれていません。

算出式:労務費総額 × 法定保険料率

見積書に法定福利費を内訳として明示するときの「基本的な法定福利費算出方法」は、次の式です。

見積書の例では、保険ごとに「対象金額(労務費)× 料率」で金額を出し、合計を法定福利費として、材料費・労務費・経費の小計に足しています。例に書かれた料率は、協会けんぽ東京支部に加入する場合などの条件つきの例示です。このサイトは現行の料率を確認していないため、料率の数値は載せません。実際の料率は、健康保険は協会けんぽのウェブサイト等、厚生年金保険は日本年金機構、雇用保険は厚生労働省のウェブサイトで調べるよう、資料に書かれています。

内訳明示の対象になるもの・ならないもの

保険内訳明示の対象か(国の資料)
健康保険料(介護保険料を含む)対象。現場労働者の事業主(会社)負担分
厚生年金保険料(子ども・子育て拠出金を含む)対象。現場労働者の事業主(会社)負担分
雇用保険料対象。現場労働者の事業主(会社)負担分
労災保険料法定福利費の保険としては挙げられず、元請一括加入と注記されている

介護保険の対象者は、基本的に40歳から64歳までの方です。現場労働者に占める40歳以上の割合を把握しにくいときは、協会けんぽのウェブサイトに載る割合を使う方法がある、と資料は答えています。法定福利費の分も消費税の対象になるため、見積書の例では、法定福利費を足した小計に消費税を掛けて合計を出しています。

この手順が想定している見積書

想定されているのは、下請の会社が元請の会社に出す見積書です。外壁塗装で住宅所有者が受け取る見積書に、同じ形の表が付くとは限りません。ただし、令和7年12月に改正された建設業法では、材料費・労務費・法定福利費(事業主負担分)・建設業退職金共済の掛金・安全衛生経費の内訳を記載した見積書の作成が、建設業者の努力義務になったと、国土交通省の令和8年3月の書き方ガイドは説明しています(建退共の掛金の見方は建退共の掛金と外壁塗装の見積の確認点)。見積書に法定福利費の行があるかどうかを確かめる材料になります。

出典: 国土交通省「建設工事の見積書様式例 徹底書き方ガイド(運用編)」(令和8年3月、確認日 2026-10-09)。

見積書で確かめること

国の労務単価(塗装工日額)には法定福利費の事業主負担分が含まれないため、地域係数で人件費部分を引き直すときも、法定福利費を含めた金額と比べないよう注意が要ります。範囲は塗装工日額に含まれるもの・含まれないもの、経費用語は見積書の現場管理費・法定福利費・一般管理費・諸経費の意味、国が示す参考値は塗装工日額に必要経費を加えた参考値で確認できます。

法定福利費の内訳明示に関するよくある質問

法定福利費はどう計算して見積書に書くのですか

国土交通省の作成手順では、基本は「労務費総額×法定保険料率」です。労務費を取り出しにくい場合の方法として、工事費や工事数量に平均的な法定福利費の割合を掛ける方法も示されています。

労災保険料は、内訳明示する法定福利費に入りますか

国の資料は、法定福利費の保険を健康保険、厚生年金保険、雇用保険とし、労災保険は元請一括加入と注記しています。内訳明示の対象は、原則として現場労働者の事業主負担分です。

法定福利費にも消費税はかかりますか

国の資料は、法定福利費の分も消費税の対象になると答えています。

このページでできないこと

個別の見積の法定福利費が適正かどうかの判定や、会社ごとの保険料の計算はできません。塗装業者の紹介もしません。見積の確認の順番は見積を受け取った後に確かめる順番、内訳の見方は外壁塗装の見積書の内訳の見方にまとめています。出典はデータの出典をご覧ください。

お住まいの県の日額と参考値は都道府県別の塗装工日額ページの一覧から確認できます。たとえば東京都、愛知県、大阪府、福岡県のページがあります。主要12都道府県を1枚で見比べたいときは主要12都道府県の早見表も使えます。

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