左官工の日額と、モルタル外壁のひび補修・下地調整の見積との関係
モルタル外壁の見積書には、ひび割れの補修や下地の調整の項目が並ぶことがあります。国の公共工事設計労務単価では、左官の作業は左官という職種(表の見出しは「左官」)で説明されています。塗装工とは別の職種として、左官工の日額が公表されています。
左官の職種の説明は、左官工事について相当程度の技能を有し、土、モルタル、プラスター、漆喰、人造石等の壁材料を用いての壁塗り、吹き付け等の作業について主体的業務を行うもの、という内容です。一方、塗装工の説明には「塗装のための下地処理を含む」とあり、塗装の前の下地処理は塗装工の作業に含まれています。見積書の下地調整やひび補修の行が、どちらの職種で行われる作業なのかは、国の表だけでは決められません。
- 日額は、所定労働時間内の8時間当たりの賃金です。
- 時間外・休日・深夜の割増賃金は含まれません。
- 現場管理費(法定福利費の事業主負担分など)や一般管理費などの諸経費も含まれません。
出典: 農林水産省・国土交通省「令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価表」(令和8年2月公表)の注記と職種定義。確認日は2026-10-21です。
47都道府県の左官工日額と塗装工日額
左官工の日額は、47都道府県すべてに掲載されています。単純平均は30,285円、最も高いのは宮城県の37,700円、最も低いのは島根県の24,500円です(単純平均は本サイトの計算)。塗装工の単純平均30,760円と比べると、左官工のほうが低い県が35県、高い県が12県、同額の県が0県です。左官工のほうが塗装工より高い差が最も大きいのは岩手県の6,200円、低い差が最も大きいのは神奈川県の3,500円です。
| 都道府県 | 左官工日額(8時間) | 塗装工日額(8時間) | 差(左官工−塗装工) |
|---|---|---|---|
| 北海道 | 30,900円 | 30,100円 | +800円 |
| 青森県 | 32,800円 | 27,400円 | +5,400円 |
| 岩手県 | 34,700円 | 28,500円 | +6,200円 |
| 宮城県 | 37,700円 | 33,400円 | +4,300円 |
| 秋田県 | 33,200円 | 29,600円 | +3,600円 |
| 山形県 | 32,700円 | 32,900円 | −200円 |
| 福島県 | 33,000円 | 33,300円 | −300円 |
| 茨城県 | 32,600円 | 32,100円 | +500円 |
| 栃木県 | 33,600円 | 34,500円 | −900円 |
| 群馬県 | 29,200円 | 29,600円 | −400円 |
| 埼玉県 | 32,800円 | 34,500円 | −1,700円 |
| 千葉県 | 33,400円 | 34,700円 | −1,300円 |
| 東京都 | 33,800円 | 36,500円 | −2,700円 |
| 神奈川県 | 32,800円 | 36,300円 | −3,500円 |
| 新潟県 | 31,200円 | 31,000円 | +200円 |
| 富山県 | 32,700円 | 33,500円 | −800円 |
| 石川県 | 32,300円 | 33,000円 | −700円 |
| 福井県 | 28,600円 | 30,300円 | −1,700円 |
| 山梨県 | 32,600円 | 34,600円 | −2,000円 |
| 長野県 | 28,000円 | 30,900円 | −2,900円 |
| 岐阜県 | 30,500円 | 32,300円 | −1,800円 |
| 静岡県 | 32,100円 | 34,200円 | −2,100円 |
| 愛知県 | 31,100円 | 33,600円 | −2,500円 |
| 三重県 | 30,700円 | 32,800円 | −2,100円 |
| 滋賀県 | 29,600円 | 30,400円 | −800円 |
| 京都府 | 30,000円 | 31,300円 | −1,300円 |
| 大阪府 | 30,100円 | 32,300円 | −2,200円 |
| 兵庫県 | 28,600円 | 29,000円 | −400円 |
| 奈良県 | 30,800円 | 32,100円 | −1,300円 |
| 和歌山県 | 30,300円 | 31,300円 | −1,000円 |
| 鳥取県 | 25,300円 | 28,100円 | −2,800円 |
| 島根県 | 24,500円 | 26,200円 | −1,700円 |
| 岡山県 | 25,900円 | 28,300円 | −2,400円 |
| 広島県 | 25,400円 | 26,700円 | −1,300円 |
| 山口県 | 25,100円 | 25,900円 | −800円 |
| 徳島県 | 27,700円 | 27,300円 | +400円 |
| 香川県 | 27,900円 | 27,500円 | +400円 |
| 愛媛県 | 27,300円 | 27,000円 | +300円 |
| 高知県 | 27,000円 | 27,300円 | −300円 |
| 福岡県 | 29,000円 | 29,200円 | −200円 |
| 佐賀県 | 29,300円 | 30,200円 | −900円 |
| 長崎県 | 29,300円 | 29,900円 | −600円 |
| 熊本県 | 28,400円 | 29,300円 | −900円 |
| 大分県 | 29,000円 | 28,500円 | +500円 |
| 宮崎県 | 28,800円 | 29,000円 | −200円 |
| 鹿児島県 | 29,300円 | 29,500円 | −200円 |
| 沖縄県 | 31,800円 | 29,800円 | +2,000円 |
左官工の列は、同じ表の「山林砂防工」から「タイル工」までの10列のうち、見出し「左官」の下の値です(空欄のある県があるため、列の位置は見出しの位置と突き合わせて確認しました)。塗装工は一般の塗装工の表の値で、橋りょう塗装工ではありません。差は公表された2つの金額から本サイトが計算した値です。
この表を見積の下地調整・ひび補修と比べるときの注意
- 見積書のひび補修や下地調整の行は、補修材料や副資材などの費用を含む場合があり、左官工の日額は賃金だけです。同じ種類の金額ではありません。
- この表の差は、県ごとの賃金の水準の違いを見るものです。補修や下地調整の金額の高い・安いを判定するものではありません。
続けて読むページ
塗装工の47都道府県の日額と平均との差はトップページの表にあります。外壁塗装の作業が国のどの職種に当たるかは外壁塗装の作業と国の職種区分、ひび割れ補修の見積項目の読み方は外壁のひび割れ(クラック)補修の見積項目の確認点、モルタル外壁の確認点は外壁の種類(窯業系サイディング・モルタル)で変わる外壁塗装の見積の確認点にあります。職種を並べた比較は外壁塗装で関わる6職種の労務単価を比較です。
よくある質問
左官工の日額は、ひび補修や下地調整の見積額の目安になりますか
目安にはなりません。左官工の日額は、職人に支払われる賃金の水準です。国の資料の注記で、現場管理費や一般管理費などの諸経費は含まれないとされています。補修材料の費用も賃金ではないため含まれません。見積書のひび補修や下地調整の行と同じ種類の金額ではありません。
モルタル外壁のひび補修は、塗装工と左官工のどちらの職種ですか
国の表だけでは決められません。左官の説明には、モルタルなどの壁材料を用いた壁塗り、吹き付けが並んでいます。塗装工の説明には、塗装のための下地処理を含むと書かれています。実際にどちらの職人が施工するかは、施工する会社ごとに違います。
日額から補修の1平方メートル当たりの単価を計算できますか
このサイトでは計算しません。日額に何平方メートル分の作業が当たるかを示す国の標準を、確認できていないためです。見積書のひび補修の行が長さや一式で書かれていても、この表と直接比べることはできません。
このページでできないこと
見積書の金額が適正かどうかの判定や、業者の紹介は行いません。
