見積書の「一式」の内訳を業者に聞く順番(足場一式・下地処理一式・諸経費一式)

見積書の「一式」の行について、含まれる作業、数量、材料費と労務費の別、経費の扱いを、どの順に業者へ聞くかを示します。聞いた答えのうち、塗装工日額で見られる部分と見られない部分も分けています。

足場上で住宅の外壁をローラー塗装する作業風景

見積書の「一式」の行について建設業法が定めていること

建設業法第20条第1項は、建設業者に対し、工事の種別ごとの材料費、労務費、適正な施工を確保するために不可欠な経費として国土交通省令で定めるもの、その他の必要な経費の内訳と、工事の工程ごとの作業およびその準備に必要な日数を記載した見積書(材料費等記載見積書)を作成するよう努めることを求めています。第4項は、注文者から請求があったときは、請負契約が成立するまでに、建設業者はこの見積書を交付しなければならないと定めています。

出典: e-Gov法令検索「建設業法」第20条(確認日 2026-10-09)。「一式」と書かれた見積書が条文に適合しているかどうかは、このサイトでは判断しません。ここでは、「一式」の行の中身を知りたいときに、何をどの順に聞けばよいかを整理します。

「一式」の行の内訳を業者に聞く順番(5つ)

  1. その行に含まれる作業の名前を、すべて挙げてもらう。
  2. 数量と単位(面積、箇所数、日数のどれか)を聞く。
  3. 材料費と労務費(人数×日数)に分けてもらう。
  4. 現場管理費などの経費が、別の行か、その行の中に入っているかを聞く。
  5. 工程ごとの作業日数を聞く。

口頭の答えだけで終えず、材料費等記載見積書の形で書面にもらえるかを、あわせて聞きます。

「一式」の例ごとに、聞くことと労務単価で見られる範囲

国の公共工事設計労務単価の塗装工の列(令和8年3月適用)は、塗装のための下地処理を含み、塗装作業に必要な足場の組立・解体と、現場管理費・一般管理費等の諸経費を含みません。この定めで、「一式」の例を仕分けます。

「一式」の例業者に聞くこと塗装工日額で見られるか
足場一式組立と解体の両方が入っているか。数量の単位は何か見られない。塗装工の定義は、塗装作業に必要な足場の組立・解体を除いている
下地処理一式洗浄・ひび割れの補修・ケレンなど、含まれる作業の名前と、人数×日数人数×日数の部分は見られる。塗装工の定義は、塗装のための下地処理を含む
塗装工事一式塗料名・缶数・塗り回数。塗る手間と塗料の材料費が分かれているか塗る手間の部分だけ見られる。塗料の材料費は賃金ではないため見られない
付帯部塗装一式雨どい・軒天・破風・鉄部のうち、どの部位が入っているか部位ごとの人数×日数が分かれば、その部分は見られる。詳しくは付帯部の塗装は労務単価でどこまで比べられるか
諸経費一式現場管理費、一般管理費等などの内訳と、それぞれの金額見られない。労務単価に諸経費は含まれない。用語は見積書の経費用語の意味

職種の定義は外壁塗装の作業と国の職種区分、日額に含まれるものの範囲は塗装工日額に含まれるもの・含まれないものにあります。表の右の列は、これらの定義から読み取れる範囲をこのサイトが仕分けたものです。

足場の基準を定める労働安全衛生規則の条文は外壁塗装の足場に関わる法令にまとめています。見積の足場項目そのものを契約前に確かめる点は外壁塗装の見積の足場項目を契約前に確かめる点にあります。

答えが人数と日数で返ってきたとき

「職人2人×2日」のように返ってきたときは、工事場所の塗装工日額に人数と日数を掛けた金額が、労務単価の水準で見た労務分の概算になります。たとえば令和8年3月適用の塗装工日額で、東京都は146,000円(36,500円×2人×2日)、山口県は103,600円(25,900円×2人×2日)です。掛け算は本サイトの計算で、橋りょう塗装工ではなく一般の塗装工の日額を使っています。区分は塗装工と橋りょう塗装工の違いで説明しています。

この概算は、職人の作業日数の水準を見る参考であり、その行の請求額の目安ではありません。人数と日数の読み方は見積書の人工・日当の読み方にあります。

聞くときの言い方の例

ベランダ・バルコニーの防水の項目は見積書のベランダ・バルコニー防水の確認点、廃棄物の処理の項目は外壁塗装の廃棄物の処理の確認点にも、「一式」の内訳を確かめる質問があります。

塀や門扉などの塗装が「一式」に混ざっているときは塀・門扉・フェンスの塗装の確認点で読み方を確かめられます。

このページでできないこと

「一式」の金額が高い・安いか、見積が適正かどうかの判定はできません。塗装工事は市場単価で積算され、国の標準歩掛りが公的に存在しないため、日額から㎡単価への換算もしません。足場の費用や塗料の材料費の水準も示しません。塗装業者の紹介もしません。見積書の内訳の項目は外壁塗装の見積書の内訳の見方、確認の全体の順番は見積を受け取った後に確かめる順番にあります。

お住まいの県の日額と参考値は都道府県別の塗装工日額ページの一覧から確認できます。たとえば東京都、愛知県、大阪府、福岡県のページがあります。

「一式」以外の数量欄(㎡・m・箇所)の読み方は見積書の数量欄の単位(㎡・m・箇所・式)の読み方にあります。

よくある質問

見積書に「一式」と書かれていたら、違法ですか

このサイトでは判断しません。建設業法第20条第1項は、内訳と工程ごとの日数を記載した見積書の作成に努めることを求め、第4項は、注文者から請求があれば、請負契約が成立するまでにその見積書を交付しなければならないと定めています。

「一式」の内訳は、どんな書面で受け取れますか

材料費等記載見積書です。契約が成立するまでに、注文者から請求できます。建設業法第20条第5項は、注文者の承諾を得て、電子的な方法で提供することもできるとしています。

「一式」の金額を、塗装工日額で確かめられますか

確かめられるのは、人数と日数が分かる労務費の部分だけです。足場の組立・解体、塗料の材料費、現場管理費などの諸経費は、塗装工日額に含まれないため確かめられません。

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見積書の面積の根拠(図面か実測か)の確認は外壁塗装の見積書の塗装面積にあります。

内訳が「一式」ばかりのときの考え方は、外壁塗装の見積と地域係数のよくある質問の該当する問いにも整理しています。